2022年5月23日、グーグルマップにストリートビューを公開するためのウェブツール「ストリートビュー・スタジオStreet View Studio)」の提供開始を発表されました。2017年のpanoeditor廃止以来、無料で利用できるデスクトップ・ツールとして、内外から注目を集めています。
適切なグーグル・アカウントにログインするだけで、ツールの利用に制限はありません。しかしながら、公開できるストリートビューは、ブルーライン(青線)に限られています。
下に続く。。。
スポンサーリンク
動画ファイルとブルーラインに特化したウェブツール
ストリートビュー・スタジオは、一眼ミラーレスに魚眼レンズを装着して撮影した静止画(Equirectangular)等の公開に利用できません。また、スマホ版ストリートビュー・アプリが提供していた手動による「結合編集」の提供もありません。
ストリートビュー・スタジオとは?
迅速な一括処理を提供するストリートビュー・スタジオ
SV trusted Helpより引用
- 連続した画像の公開を素早く一気に行う。
- 公開前に位置情報をプレビューできる。
- フィルター検索で、場所ごとに投稿画像、進捗状況、ファイル種別とファイル名の確認を行える。
- %表示と残り時間により、アップロードの進捗状況を確認できる
- グーグルマップにおける画像の閲覧数と撮影した距離数の表示
- 公開画像の削除を個別、または、一括処理できる。
ストリートビュー・スタジオは、RICOH THETAシリーズを代表とする360°カメラで撮影した動画ファイル(.mp4 or .mov)から、一連の画像をグーグル・マップ上に「ブルーライン(青線)として公開する」に特化したツールであるとのこと。
*)注意:上記の各機能は、ブルーラインとして公開した一連の画像に限ります
機能 / Auto-blurring
人物の顔と自動車のナンバー・プレートを自動で認識してボカシを入れる機能を提供しています。これにより、公開前の画像に修正を加える必要はありません。しかし、玄関の表札などに注意する必要があるかもしれません。
事例:Google社撮影 名古屋市
Google社撮影のストリートビューでは、表札をボカシの対象とは考えていないようです。(上掲の事例を参照)ユーザー撮影の場合は、トラブル回避のため「表札」のボカシを推奨します。
機能 / Auto-connection
画像間の結合を自動的に行うため、ユーザーによる任意の編集に非対応です。方位や傾きなど全て自動処理の結果に任せる以外に手段はありません。
※底面のロゴ挿入など、およそ「プロ向け」に必要な機能は備わっていない。
実例 / Ricoh Theta Z1
撮影場所:心合寺山古墳(国指定史跡)
上掲のストリートビューは、2019年にRicoh Theta Z1を使って撮影した画像です。静止画をRAW現像して公開。秋の夕陽に照らされた水面に浮かぶ「桐兄弟」を見事に描写できていますね。
桐兄弟の弟(南側の桐)は、2022年5月12日に倒壊しました。このまま朽ち果てるのかと、大変心配しています。
撮影 / shooting
動画の撮影では、常にサーマルシャットダウンを意識せねばなりません。したがって、初夏の直射日光を避けるべく日没の一時間前に撮影を開始しました。画像の暗さは、そのためです。
軌跡 / Track log
ストリートビュー・スタジオは、位置情報(軌跡ログ)を必要とするため、Pixel5a with 5Gにインストールした山旅ロガー Gold で、GPXファイルを取得しました。
有料版のGoldは、測定モードで最短1秒(超精密)ごとに位置情報を記録できます。
公開 / Uploading...
撮影した動画ファイル(.mp4)と、同時に記録した.gpxファイルをツールからアップロードします。この時、.gpxファイルの精度が低いとエラーで返されます。また、公開プロセスの途中で、エラーを吐いて終了することになります。
結論;Conclusion
グーグルマップのストリートビュー空白地帯は、都市部においても存在しています。Google I/O 2022で発表されたImmersive Viewをくまなく実現するには、さらなるユーザーの投稿(Contributions)を必要とするでしょう。
撮影場所:鐘の鳴る展望台(なるかわ園地)
ストリートビュー・スタジオは、そのような「投稿」を後押しするツールの一つです。今回の試みは、その第一歩に過ぎません。撮影場所、時間、手法、機材の見直しと自動処理における品質へのフィードバック、、、etc. 課題は山積ですね。
では、また。