七森信仰の伝わる生駒谷の歴史と風土について考察された書籍「生駒谷の七森信仰」は、平成20年3月に刊行されました。昨年(2017)再版され、生駒市ふるさとミュージアムで販売されています。
生駒谷とは、生駒市の中・南部に位置し、現在の高山・鹿畑・田原などの北部は含まれていません。北部は近世になって生駒市に併合されました。「生駒谷の七森信仰」(以下、『本書』と言う)で紹介される七森(ななもり)信仰の舞台は、生駒谷十七郷のことで、享保二十一年に刊行された「大和志」に記されていると云います。
長年、生駒を歩いているので、山崎は「やまさき」と濁らないことや、谷田を「たんだ」と読むことは知っていました。しかし、小明を「こうみょう」と読むとは。。。「こあけ」と読んでいた。ハズカシィ。考えてみると「小明」を歩いた経験は少ないようです。
《以下に続く》
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「生駒谷の七森信仰」購入の経緯
本書再販の情報を得て、生駒市ふるさとミュージアムで購入することに決めました。購入ついでに、2018年12月16日(日)に開催された生駒民俗会の例会に一般参加。生駒民俗会 会長・今木義法氏とお会いし、厚かましくも本書にサインまで頂戴しました。
例会後のハイキング
この日は午後から雨模様。午前中はふるさとミュージアムの会議室で今木会長の講義でクソマル石の伝承を学びました。生駒山上に着く頃は、少し雲が多くなってきた。
クソマルとは「久曽麻留」の漢字で表記します。しかし、これは根拠の薄い「当て字」なのだとか。石の由緒は「生駒の古道」を買って読んでくださいね。筆者は、2016年夏に訪問して、360°写真を撮影しています。
「七森信仰」今後の展開は如何に?
※元のマイマップは共有されていないため、当方の経験に基づいて再作成中です。
本書によると、現在も残る「七森信仰」の場所は、ほとんどが消滅するか忘れ去られて、特定するのも困難になっています。一方で、本書を元にして、その所在地をGoogle Mapsのマイマップにまとめた方がおられます。残念ながら「土地勘がない」という理由で、ピンの位置は少々曖昧。その曖昧な情報に魅せられて、何度も足を運んだ場所がありました。
マイマップの記述によると「天神山山頂の雑木林。小祠がある」とされていました。ピンの位置から推測して、平群支線11号鉄塔付近をウロウロ。「下から登る道がある」との情報をYAMAPで得て、やっと見つかりました。
ニケンギョ坂
ニケンギョとはどんな字を当てるのでしょうか。「二間魚」なのか?尺貫法で言う「一間」とは、約1.8mです。100年前の日本では、身長1.8mは大男ですね。それの二倍なので、かなり「大きな魚」と言うことになる。池に住む魔物か、主(ぬし)なのか。興味は尽きません。
天神山への道・過去と現在
※モバイル表示に「難アリ」なため、静止画となっています。コチラをタップして地図ページを表示可能です。
※マウス操作で地図の新旧を比較してみてください。
天神山へのルートは途中まで現在の地形図に記されています。その先はアドベンチャー。明治期の地図では矢田丘陵まで続く山道だったようです。実際に歩いてみると、牛馬で荷車を曳くのに十分な道幅を確認できました。
旧乙田村「郷土の資料集」
※73頁から山歩きに参考となる情報を満載しています。
ほとんどのモリは、忘却の彼方へと消えゆこうとする中で、「乙田の七森」はその伝承とモリを大切に保護されています。資料集として文献にも残されているとのことで、生駒市内の図書館に寄贈されてるとのこと。※東生駒のMさんよりコピーを送って頂きました。
資料集には、ありがたいことに「モリの所在地」と「石造遺物」を示す地図を手書きされています。これらの資料や本書の記述をもとに、「ムク谷のモリ」やまだ見ぬ「石造遺物」を探索したいと思います。乞うご期待!
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生駒山系(国見山、交野山、明神山、矢田丘陵)の地図が充実しています。使える地図があるからこそ、お歩きになるユーザーが増え、情報が良く集まり、それが地図に反映されるという好循環を生んでいます。アプリは初心者向けに設計されてるので、とても使いやすいと評判です。
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では、また。