生駒山系で体験した「山怪」な話
2017/11/26
「山怪 -山人が語る不思議な話(著者:田中康弘氏)」(以下、本書と言う)という書籍がアマゾンの伝承・神話カテゴリで人気を博してベストセラー1位に選ばれています。
山と渓谷社 (2015-06-06)
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実はコレ、Twitterでminami (@mieao62)さんのつぶやきを見て知りました。
去年、山と渓谷社発行(著者 田中康弘)「山怪」山人が語る不思議な話を読んだ。山の不思議な音は動物の仕業か、と少し思えるようになった。
— minami (@mieao62) 2016年6月8日
最初はよくある不思議話とか、都市伝説のたぐいかと思いましたが、「山人が語る。。。」という副題がちょっと気になりアマゾンで検索すると。。。
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アマゾンで試し読み(ただし、PCのみ)
未だに紙の本じゃないとダメと頑なに思っている人の中には、書店でちょいと立ち読みして試し読みができないじゃないかと言います。これは大きな誤り。事実誤認です。ネット書店の大手アマゾンでは気軽に試し読みができるタイトルがいくつか揃っていますよ。
山と渓谷社 (2015-06-06)
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アマゾン
PCサイトからだと、試し読みのリンクが表示されて、データをお手元のスマホアプリへ送ることが可能です。
もちろん、そのままパソコンで読むことができるので、いつでもどこでも好きな時に試し読みが可能。お試し版では、第一章の「蛇との不思議な関係」まで読むことができました。アプリは無料で使えます。
不思議な話にはオチがある
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」とはよく言ったもの。この手の話には、たいてい何らかのオチがあるものですが、本書は東北地方のマタギ(山漁師)などから聞き取った話を何らの脚色なく伝えられています。民話の原石のようなエピソードが集められているわけですが、読み進めるとやはりある種の「オチ」的なものを感じます。
もっともよくあるパターンとして、「キツネ」や「狸」に馬鹿されたというモノでしょう。第一章に「辿り着かない道」というエピソードがあります。山に入った数名のマタギの内、一人だけ行方不明になった話と全員で道に迷った話。いずれも、山を知り尽くしたマタギの体験談で、初めて登った山で道を間違うのとは事情が異なります。
しかし、こうしたことは稀に発生するもので、位置情報をGPSなどの測位衛星から知ることのできる現代でさえも、うっかりミスすることはあります。そんな時の言い訳として、「キツネに騙された」とか責任回避の手段として「ムジナが出た」とか言うのでしょう。
子どもを山中に置き去りにした父親だって、最初は「山菜採りに行った」と嘘の言い訳をしていましたね。
不思議な体験は夜よりも真昼間に起きる
お試し版をすべて読み終えて思ったことは、やはり「夜の事件」が多いということです。前述の「辿り着かない道」までのエピソードは全て夜に体験したエピソードでした。夜は不思議なことが起こっても不思議じゃない。(下手なシャレ)
夜はそもそもコワイです。木の葉がちょっとガサゴソしただけで飛び上がるし、真っ暗闇で周囲の様子が見えないだけで、とても不安な気持ちになりますね。しかし、「人魂、狐火、勝新太郎」のエピソードでは酒に酔った上での話だったりしますので、夜はいろいろあるんですよ。
生駒山系でホントにあったお話し
さて、ここからは生駒山系でふぁんトントが体験したホントにあった話をさせていただきます。その前に一言、当方は基本的に非科学的な事柄を信ずるモノではありません。しかし、自然に対する畏怖の念や、自然の恵みへの感謝、その土地で信仰される道祖神への尊敬の気持ちは持ち合わせております。
そんな「ふぁんトント」が体験した話とは。。。
最近のマイブームで清瀧(妙見の滝)の360°パノラマ写真(全天球パノラマとも呼ぶが、以下パノラマと略します)を撮影していました。スマホアプリで撮影する場合、全周囲360°を32回に分けて撮影し、その撮影データをスマホのソフトウェアが1枚のEquirectangular(正距円筒図法)に合成(Stich スティッチと呼ぶ)するのです。最近では一脚を使用し、できるだけ視点がズレないように3回転しながら撮影しています。
この画像データにGPanoと呼ばれるメタデータをExif情報へ埋め込み、GoogleフォトやGoogleマップで公開すると、周囲をグリグリと見回すことのできるパノラマとなるわけですね。
この日は夕方4時を回ってからむろいけ園地を出て、清瀧に到着したのは4時半頃でした。日没が遅い初夏の明るい夕暮れ時であっても、滝周辺に限っては真っ昼間から薄暗くちょっぴり不安感が募ってきます。足場の悪い場所でのパノラマ撮影は、とても時間がかかります。なにせ「三回廻ってワン」じゃなかった、1枚の写真を作成するワケです。一脚を中心に回ってるうちに、足元が疎かになって踏み外しそうになりました。
縦にグリグリ回して足元を見てください。↓
気持ちが焦る中、三ヶ所目のパノラマを撮影している最中にその事件は起きました。上方向のポイントを撮影しているときに、視線の遠くに滝上部の不動祠が目に入りました。その時です。青いシャツを着たハイカーが走るように降りてきた(ように見えた)。見えた次の瞬間に次の撮影ポイントへ回転移動しましたので、視界からは一瞬で消えましたが、背後で話し声も聞こえたのです。
上の方へ視線を移してください。祠が見えるでしょう。その前の斜面を青い服の人が駆け下りて来た。
その時は、「誰か降りてきたから、早く撮影を終えないと」と思っただけです。なぜなら、パノラマに人が写り込むと後処理が厄介なので、極力写り込まないようにしています。時には、撮影途中で待たされたり。半分ぐらい撮影したところで諦めたり。清瀧は以前に撮影したパノラマの出来栄えが良くなかったので、リベンジのためかなり気合が入っていました。ですから、人の気配には敏感になっていたと思います。
こんな場所で人に出会うはずがないっ!
YAMAPの活動日記
しかし、よくよく考えると不思議なことばかり。清瀧(妙見の滝)は同じむろいけ園地周辺の滝である権現の滝とは違って、かなーり寂しい場所なのです。ふぁんトントは2013年以来、周辺を好んで歩いていますが、今までに人と出くわしたことは一回もありませんよ。そこで、もしやと思いヤマレコで検索してみました。
上記は、ヤマレコのユーザー(catsim)さんの記録で、この地域をよく歩いておられる奇特な方です(失礼しました)。出会うとしたらこの方以外に考えられません。しかも、同じ日の同じ時間帯、同じ場所を歩いておられました。「やっぱりあれは幻なんかじゃなかったんだ」と思って一瞬安堵しました。
しかし、よく見てくださいね。catsimさんと当方では30分の時差がありますよ。当方が先に到着していれば問題なし。前述のようにパノラマ撮影には時間がかかります。事実、到着してから30分程度滝周辺で滞在しています。やっぱり不思議です。ほとんどめったに他人と出会うことのない場所で、同時間帯に3人もいたことになる。catsimさんも他の人とは出会っていないと言う。ますます不思議じゃありませんか。
気持ちの焦りはあったかもしれませんが、それ以外はいたって平常でしたよ。足に少々の疲れを感じただけで、体力は余ってましたしねぇ。青い服は鮮明な記憶として残っています。もう一人いたのか。それとも、、、狐?狸?ムジナ? ホントに不思議なことは真っ昼間に起きるのです。
Kindle本のみですが「0円」で読めます。
著者名もよく似ていますが、同じようなタイトルの本を見つけました。しかも無料!これを読んだら山へ行けなくなるかも。
VRメガネ
これで見たら青い服のハイカーが見つかるかも。勇気のある方は見てください。では、また。
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