ストリートビュー認定フォトグラファー制度とローカルガイド・プログラムの関係性、そして360°カメラの今後を占います。
撮影・編集:RICOH THETA Z1 / Pano2VR ver.7.0.9
歴史は繰り返す。
古い話題で恐縮です。今から約7年前の2017年4月未明、*1)ストリートビュー認定フォトグラファー向けの無料ツール"Panoeditor"(通称:ストリートビュー・エディター)を廃止なさいました。この顛末を覚えている方は、ホントに少なくなったと痛感しています。
グーグルさんからの「提供終了」アナウンスは、第一回ストリートビュー・サミット in アムステルダム(2016)でしたね。約一年間の猶予期間を与えられて、代替となるインドアビュー用の編集・公開ツールとして、「ストリートビュー・アプリ(iOS & Andorid)」を開発&リリース。筆者は、グーグルさんとNDAを締結してベータ版のフィードバックに参加しました。そして、、、そのアプリも昨年(2023)。。。ついに(絶句)。(ストアからアプリを削除となりにけり)
下に続く。。。
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Trusted Programとともに消滅しそうなローカルガイドと360°カメラ界隈
無料でストリートビューを撮影・公開できるアプリは完全に消え去った。。。
ストリートビュー・アプリの完全終了から一年余りを経過しても、"Is there a way to get the streetview app to work with iphone again?" のような寝ぼけた質問は、未だにチラホラと散見できるようです。あるいは、冬眠から目覚めたクマのように、「*2)人材紹介リストの掲載が消えてしまった。ボスケテ」と言うような叫びも聞くと云う。
https://support.google.com/street-view-trusted/answer/10350790
人材紹介リストの整理(非アクティブ・ユーザーの排除)は、2021年1月28日に完了しているので、今更何を言っても無理だと思います。しかも、この人材紹介リストは、同時期にメインとなる機能を失っているんです。復活させる意味ある?
https://support.google.com/street-view-trusted/answer/10337667
The ‘Add a virtual tour’ button, which previously generated leads and distributed them to three random trusted photographers within an 80km radius of the business’ location, has been renamed to ‘Get started’
...(引用)*3)Business Leadsの打率は、笑っちゃうぐらい低いモノでしたが、それでも、公平に新規顧客を得るチャンスを与えられていましたね。唯一の価値を失った「人材紹介リスト」は百害あって一利なしで、スパムの発生源と化しています。
一つ目、ストリートビュー認定フォトグラファー制度(Trusted Program)
「ストリートビュー認定フォトグラファー制度」の凍結は、2021年7月19日のことで、こちらは比較的最近のお話ですね。とは言え、凍結から3年半も放置プレーで音沙汰なしの状態。2024年に廃止されるかもしれない最右翼と言っていいぐらいなのです。トッと廃止になって、新しい「ナニ」かがスタートすれば吉。
二つ目、ローカルガイド・プログラム(Localguides Program)
Traci御大の居た頃が懐かしい。。。
筆者は、興味本位にローカルガイド・プログラムの開始(2015.9)から参加しましたが、ストリートビュー認定フォトグラファー制度の参加者を取り込んで、サポート・フォーラムの機能を果たすとまで予想していませんでした。ローカルガイドは無償の活動(ボランティア・ベース)であり、職業フォトグラファーの参加で始まったストリートビューとは、「水と油」の関係と言えるからです。それゆえに、両者の統合が始まると様々な問題が噴出して、多くのプロ・フォトグラファーが、両プログラムから退出を余儀なくされてしまったのです。技術的な継承と言う意味で、大きな損失でしたね。2019年9月に開催された第四回ストリートビュー・サミット in ロンドンの基調講演で、ロカールガイド・プログラムとの"partial separation"を告知されると、会場内の参加者からどよめきと拍手・喝采が湧き起こりました。その場に居合わせた筆者は、この光景を昨日のことのように覚えています。
ロンドンから帰国すると、直ちにローカルガイド・プログラムを退会(Opt-out)し、ストリートビュー認定フォトグラファーのアカウントをクリーンに維持しようと努めて来ました。ローカルガイドに参加してなくても、写真やクチコミの投稿はできるし、サミット参加者向けにサポートのチャネルが用意されているからですね。プログラムの内容や特典にも、これといった魅力やメリットを見出せません。ローカルガイドも、何らかのテコ入れを行う必要性があるでしょう。
三つ目、 360°カメラ界隈
theta360サイトはリニューアル。埋め込みコードの提供を終了か? との声が聞こえてくるけれど。。。
じないまち展望広場 #thetaz1 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
https://theta360.com/users/166330 by love_ikoma_toyo
ストリートビュー認定フォトグラファー制度の凍結とローカルガイド・プログラムの衰退は、360°カメラの販売に少なからず影響していると思います。意欲的なインフルエンサーの集まるコミュニティや、無料で手軽なプラットフォームの存在が、10万円強する「特殊カメラ」の需要を支えていたのは事実でしょう。オバハンがど真ん中でドヤ顔してるリトルプラネット風の写真なんて、一回見たら飽きますよ。そりゃ。
360°写真の撮影は、当ブログにおける重要なテーマの一つと考えています。主な撮影機材として、ミラーレス・カメラ(SONY ZV-E10)と魚眼レンズ(TOKINA SZ 8mm)に移行して久しい。最新の作例をトップページに掲載してますので、興味のある方はチェックなさってください。撮影手法や機材に対する質問なども歓迎しますよ。
THETA Z1で進化は止まった。
2021年初夏にリリースされたTHETA X、同時期のInsta360 X3に搭載された11K(11,000 x 5,500)の解像度は、はっきり言って「最悪」です。1/2サイズのセンサーで伸長させただけの画質に期待できるはずもないのですが。。。8Kサイズの動画もイマイチ。
撮影比較:Insta360 X3(11K) vs SONY ZV-E10 + TOKINA SZ 8mm
Panox に Qoocam3 など、類似のコピー商品で価格も下落傾向にあります。砂浜に打ち上げられた魚同様、マーケット的にも悪い兆候をチラホラと見るようになりました。かつて日参していたFacebookグループ(ユーザー・コミュニティ)をたまに覗くと、目を引く作例が一つもないばかりか、迷惑太郎が長文を連投していてうんざり感がハンパない。
あっと驚く新機軸はなくても、何らかの「機能向上」を盛り込んだ新機種のリリースがなければ、どんどん忘れ去られる存在となるでしょう。VLOG向けに動画機能で勝負するコピー商品に勝てません。。
Amazonアソシエイトのリンクを使用しています。
結論;Coclusion
グーグルさんの心変わりは、今に始まったことじゃありません。過去にも、多数のサービスを取り込んでは換骨奪胎して廃止なさいました。ハードルを下げて急増した「ストリートビュー認定フォトグラファー」と、目立ちたがり屋の「ローカルガイド」による一時的な需要に湧いた360°カメラ業界にも、暗い影が迫りつつあるようです。共に沈みゆく運命でしょうか。
今春にSONY ZV-E10マーク2が来る!
Confirmed: Sony ZV-E10II is coming in Spring! by Andrea Pizzini
久々に舞い込んだ後継機種のお噂にワクワク感を禁じえません。古い殻を破って新しいモノに挑戦しましょう。足踏状態はいつまでも続きませんよ。再生? or 廃止? さて、どっちに転ぶかな。
では、また!
注釈;Notes
- 一定条件をクリアしたユーザー向けに与えられる称号。デジタル・アセットなどの使用を許可される
- 撮影請負の可能な認定フォトグラファーをストリートビュー公式サイトにリストで掲示
- ビジネスプロフィール(旧マイビジネス)のオーナーからの見積依頼をグーグル経由でリスト掲載中のフォトグラファーに転送するシステム