ストリートビュー撮影山行の記録「藤尾阿弥陀堂(生駒市藤尾町)」
2017/11/28
後編では生駒市藤尾町の「石造阿弥陀如来立像」を中心に、周辺道路も含めて撮影したストリートビューを紹介します。お堂周辺の撮影はリコー社の新製品“THETA V”とスマートフォン2台(Xperia J1 Compact, Fujitsu Arrows M03)を使用しました。
これまでのストリートビュー撮影山行では、撮影時の負担をいろんな意味で軽減するために、撮影機材は一種類に限定していました。と言うよりも、シータ画像とアプリ画像を組み合わせるという発想はありませんでした。しかし、前編でお伝えしたように、それぞれのメリット・デメリットを相互補完できるので、新しい撮影スタイルとして今後も取り組んでいこうと思います。プロを自認される方にも、「アプリ撮影」を「魚眼レンズ撮影」に置き換えて頂くと、何かの参考になるやも知れません。
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二冊ある生駒市域の石造文化財の参考書
※画像右下の”Elevator Widget“でSVA“と”ThV“を切替可能(2017.10.21現在、APIの不具合で表示されません)
2017.11.18 未明に不具合が解消しました。
2017.11.21 THETA Vファームウェア・アップデートを受けて再撮影しました。
ストリートビュー
※ココで紹介する画像は再撮影と再公開を行ったために、スクリーンショットに置き換えています。
前編では「生駒市石造文化財・生駒谷」からご紹介しました。「生駒谷」は、昭和五十二年に発行された資料集で、かなり古くなっています。しかし、調査対象の石造遺物は遥かに古いわけで、双方の資料で語られる石仏はほぼ同じ顔ぶれです。ふぁんトントにとっては、「生駒谷」の方が比較的読みやすく、分布図が添付されている分いつも重宝しています。
一方、生駒市石造遺物調査報告書(平成八年)では、表紙に線刻彫阿弥陀如来立像の拓本が採用されており、陰刻された「南無阿弥陀仏」を読み取れます。現地で撮影したストリートビュー画像では、かなり接近して撮影していても、目視で確認は不可能です。尤も、現地でもかなりムツカシイですが。。。
国道308号・暗越街道(伊勢街道)
それでは、道路のストリートビューからご紹介しましょう。東西2か所にある新道と旧道の分岐点(それぞれ、A点、B点と記しました)から時計回りで、半円状に一定間隔で撮影しました。A点からB点へ直線的に連結していますので、どちらからでもグルっと周回可能です。
ストリートビュー
西畑町から暗越街道を下ってきた場合、右折してフェンス沿いに進みます。
ストリートビュー
萩原町から登ってきた場合、左折してやっぱりフェンス沿いに進みます。2009年のストリートビューではフェンスの設置は皆無、「新道」開通とほぼ同時に設置工事が行われた模様です。
ストリートビュー
西畑町側から入った場合、阿弥陀堂の手前にフェンスの開閉扉があります。かつてこの辺りに旅館が立っていました。資料によると、
「筋向いに茶店跡があり、むかし旅行く人たちの心のささえとなり、つかれた体の憩いの場となったことであろう」
今では南京錠で施錠されてフェンス向こうへ行くことは出来なくなりました。恐らくここから庄兵ヱ道に繋がる小道が神田川へ通じていたはずです。
※ゴミの不法投棄が酷いようです。その様子はコチラのサイト(生駒の古道 重箱の隅)で詳述されています。
藤尾阿弥陀堂(シータ撮影)
最初に紹介した石仏前の画像と合わせて3枚撮影しました。真ん中の一枚(画像②)は生駒市教育委員会の説明板を正面側にして撮影しました。なんとか文章をお読みいただけると思います。
ストリートビュー
撮影日は秋の長雨が続く中、一瞬のスキを狙って撮影に出掛けました。明るい陽射しが竹林に届く一方で、明暗差が大きく「白とび」「黒つぶれ」が気になります。前編「穴太神社」ではISO100固定で撮影しましたが、今回は「HDR Ev0」でタイマー撮影しました。
光源が太陽光線に限定される屋外では、明暗差が気にならない限りISO固定の方がより自然に撮影できます。今回の場合は「白とび」を防ぐのに効果的でした。ただし、HDR撮影は以下のような問題を抱えています。
HDR撮影を行うと画像の接合部分に上掲のような「モヤモヤ」が生じます。「ズレ」と言うより「手ぶれ」のような感じですね。この症状はTHETA S/SCでは発生しません。両眼にセンサーを配したTHETA V特有の問題で、RICOH社の担当者さんから、次のファームウェア・アップデートで改善すると伝えられています。
※シータにおける撮影方向の重要性を再考させる一例と言えるでしょう。
藤尾阿弥陀堂(アプリ撮影)
アプリでの撮影は3枚、最初の2枚(②、③)を愛機”SONY Xperia J1 Compact”で行い、最後の1枚(①)は、THETA Vの撮影用に使用しているFujitsu Arrows M03を緊急的に使用しました。理由は追って判明します。
道路のストリートビューを撮影した際に使用した一脚に、独自に開発した(?)パノラマ撮影専用ヘッドを装着しました。お堂の周辺はヤブ蚊が飛んでいます。時間のかかるアプリ撮影を最後に回したのは正解でした。
ストリートビュー
最初の1枚目はお堂から少し離れて撮影しました。フェンスがズレずに撮影できるかが心配でしたが、通行車両や通行人もなくじっくり撮影出来たのが功を奏し、大きな破綻なく撮影できました。この画像から、道路上の画像へもリンクを後付けしています。
ストリートビュー
2枚目はややチャレンジグです。お堂に出来るだけ近寄っての撮影は、フェンスだけでなく手すりや石段などにも破綻が出る可能性があります。遠くからトレイルランのグループによる歓声が聞こえてきました。一瞬気が焦りましたが、幸いにしてみなさん石仏には興味がないらしい、直線ルートを走り抜けて行く。(トレランで良かった)
この2枚目は苦労しました。端末の不具合が顕著となり、途中でリブートして何とか撮影を終わらせましたが、3枚目ではシャッターすら動作不能となりました。この場でXperia J1 Compactの引退を決意。残念です。
ストリートビュー
専用ヘッドはコンパクトサイズのスマホに合わせて設計しているので、5インチサイズのM03は使い勝手が悪い。しかし、撮影はとてもスムーズでした。天頂と天底の撮影は1回で済みます。さすがにStitchingも早い!樹間から差し込む太陽光の影響を除けば、殆ど破綻なく撮影できました。
撮影が終わると、蚊の大群に襲われる前に竹林を脱出せねばなりません。アミダさんに一言お礼を申し上げて、撮影機材一式を抱えて駆け出しました。そして、なるかわ園地休憩所までノンストップ。ようやくベンチを見つけて落ち着くと、M03での撮影画像をじっくりと眺めました。
「ちょっと解像度が低いな」(結果は上図の通りです)
やはり、M03は常用に耐えないようです。代替機が早急に必要となってきました。尚、Xperia J1 Compactで撮影した場合の解像度は、7680x3840pxとなっています。
Panoskinの便利機能を活用する
今回の撮影山行ではトータル40枚の360°パノラマ写真を撮影しました。これらを全て「藤尾阿弥陀堂」のリスティングから公開しています。しかし、リスティングの写真一覧(carousel)には、9枚の画像が登録されるようにコントロールしました。即ち、道路上のストリートビューは、A点とB点、そしてフェンスの扉前で撮影した画像の3枚のみを登録したのです。
1ユーザーが多数の画像を公開するのは、他のユーザーにとって煩わしい。なので、注目に値しない画像は控え目にしたいと思います。皆さんも訪問した折には、ぜひ画像を投稿なさってくださいね。
こんなメンドクサイ公開手法を一発で行えるところが、サードパーティ製ツールを使用するメリットです。Panoskinには”in carousel”のチェック・ボタンをオフ(外す)にすることで実現します。残った画像はリスティングに紐づけされませんが、画像間の連結は保持されます。
YouTube
この機能は”Convert island to level”と排他利用になっています。即ちマルチフロア化された画像は外せません。詳しくはサポート動画をご覧になってください。
操作性の向上したTHETA Vと協力タッグを組み、アプリ撮影で活躍する新相棒を鍛錬中です。秋雨前線の停滞でデビューが遅れていますが、もうまもなく披露しますよ。
M03は今後もTHETA Vのリモコンとして頑張ってもらいます。
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早く雨あがれ~。では、また。
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