消えた石標を探せ!「宝山寺参りと庄兵衛道」
2024/01/24
昭和62年に刊行された「古道に残る信仰の道 宝山寺」によると、宝山寺参りの古参道は、正面・辻子越・荒池八丁門峠越の三参道とのこと。いずれの参道も鉄道の開通により利用者が激減し、今日に至っているようです。
これら三参道のうち、辻子越の大阪側は辻子谷ハイキングコースとして広く利用されており、休日には家族連れのハイカーがチラホラ。
ケーブルなどの交通手段の無いことが幸いしたのでしょう。生駒山上に至る途中の興法寺は桜の名所で、新緑シーズンもまた風情があります。奈良県側の廃道区間である宝山寺から生駒経塚ルートを歩いてみました。恐らく三参道で最も通行が困難であると予想されるルートです。
2014/03/23 生駒山系・「宝山寺参詣道・辻子越道~高尾渓~長尾の滝」
下に続く。。。
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途中でルートを見失いかけましたが、なんとか踏破できたと思います。
ルート途上の石畳や休場などの茶屋跡の石垣等、往時を忍ばせる遺構がたくさん残っていました。
三参道以外のルートとして暗峠からの参道・菜畑参道・庄兵ェ道が紹介されています。
このうち庄兵ェ道は石標の写真付きでルートマップが付されており興味を惹きました。
庄兵ェ道は、平成8年刊行の「新ハイキング関西の山・第29号」において「宝山寺と千光寺を結ぶ行者道」という副題にて紹介されている庄兵衛道(著者:柴田昭彦氏)のことで、氏の手書きマップを元に昨年3度足を踏み入れています。
両者を比較すると微妙な違いがわかります。
国道308号線の北側にあった石標2及び3は平成8年頃には消失しています。
三回のヤマレコを元に石標のオリジナルマップを作成しました。
国道308号以南で最初の石標を石標4として、以降順番に番号を付しています。
ちなみに、庄兵衛道を歩いた昨年(2013年)のヤマレコです。
2013/10/13 生駒山系・「摂河泉コース~暗峠・鳴川峠~庄兵衛道・幡掛山(向井山)」
石標11から石標7まで確認、その後途中撤退。
2013/11/16 生駒山系・「四条道~紅葉の大原山~幡掛山(向井山)・庄兵衛道の下見~慈光寺」
石標7から石標5,4と確認。堰堤ルートを未通過。
2013/12/5 生駒山系・「生駒山~旧鶴林寺~暗峠越宝山寺旧参道~庄兵衛道探索」
暗峠からの参道の踏破と堰堤ルートを確認。
※石標の番号はオリジナルマップに準じています。
昭和62年でも平成8年版にも登場しない2つの石標が存在します。
柴田氏のマップと比較するため、それらを石標A・石標Bとしました。
石標8と石標9の間に存在します。
それでは、写真で見てみましょう。
千光寺から順番に北へ宝山寺に向かって見て行きます。
石標10 千光寺の山門から右手に進んで最初の分岐にあります。正面は行場へのルート。
石標9 舗装路と農道の分岐にあります。真っ直ぐ行くと鳴川墓地に出ます。
石標8 鳴川墓地との分岐点に立つ石標。「すぐ」の文字が特徴的です。
石標5 昭和62年当時は存在していなかったのかもしれない石標です。
倒れていますが、分岐点で右手の下り道は藤尾水源池に通じています。
石標6は未確認なので飛ばしました。
分かりにくいですが、3方向に分岐する地点です。一番左のルートが最も明瞭で、手打ちうどんの風舞さんの駐車場へ通じるルート。真ん中のルートはテープのマーキングがあり、古道の続きですが堰堤へ一旦下り水路沿いに進みます。堰堤から古道は消失していて迂回路を進みます。右手も結構明瞭ですが、途中から曖昧になります。どこに出るかは不明。
昭和62年と平成8年に登場しない石標を確認しましたが、当時に存在した石標6が未確認です。見落としているのかもしれません。大体の場所はわかっています。
石標5に至る前の谷筋を越える辺だと思います。昨年11月16日に歩いた時は、ルートを見失いかけて田んぼ跡のあぜ道をウロウロしました。テープを発見してから急ぎ足で進んだので、気が付かなかったのかもしれません。
石標6があるはずの場所。
それとも消失しているのでしょうか。消失の可能性は十分あります。
事実昭和62年当時に存在していた石標2が平成8年には消失していました。
石標3は昭和50年頃まで存在していたらしい。
石標4から先の堰堤ルートの通過についても少し納得の行かない部分もあります。
暑くなる前に再トライして、石標6が存在するのか否かを確かめたいと思います。
では、また。
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