大阪府民の森・あじさい園(ぬかた園地)を100パー楽しむためのガイド
2017/06/11
大阪府民の森・ぬかた園地では、毎年6月下旬から7月上旬に「あじさい祭り」が行われます。期間中は多くのハイキング客で大混雑。バスツアーで来る花見客の中には、サンダル履きの方もチラホラ。あじさい園は標高500m-550m地点に約1.5kmのプロムナードが設置されており、余すことなく楽しむためにはそれなりの準備が必要です。
まず最初に公式サイトから、「園内マップ(拡大図)」「アクセス図」「あじさいリスト」の3つの資料をダウンロードしておきましょう。
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あじさい園へのルートを考える
ぬかた園地・あじさい園へのアプローチ・ルートは大きく奈良県側からと大阪府側からの2通りになります。奈良県側からは「あじさい新道」のほぼ一択ですが、大阪府側からは、さらに3つのルートが考えられます。(基本的に最短距離で直行します)
2015年開花情報
奈良県側から
①生駒山上を経て、摂河泉コース→あじさい新道→桐の広場大阪府側から
②辻子谷ハイキングコース→龍王池→辻子谷南出合→あじさい園北口
③摂河泉ハイキングコース→管理道出合→園地案内所
④長尾の滝→摂河泉ハイキングコース→(上記と同じ)
③、④のオプションとして管理道との出合分岐をさらに生駒山上を目指し、あじさい新道から桐の広場を目指すのもありですね。
難易度的に見ると、①→③→②→④の順で、サンダル履きの花見客がやって来るのが奈良県側ルート(①)です。観光バスやケーブル・カーで生駒山上遊園地に着き、そこからてくてくやって来るパターンです。一方、大阪側の3ルート(②、③、④)はどれをチョイスしても、しっかりハイキングする覚悟が必要です。
上から行くか、下から行くか。
あじさい園は生駒山の西方、標高500m地点に位置しています。最も低い野草園との境界辺りが約500mで桐の広場がある辺りは、標高550mぐらいになります。
大阪側は斜面が急峻で谷筋は深い。その広大な斜面に2万5千株・30種類以上に及ぶあじさいが栽培されています。ジグザグに斜面を縫うあじさいプロムナードの総延長距離は、約1.8km(歩行距離)にもなります。(※直近のGPSログから算出しました)
上から下りながら見るか、下から登りながら見るかでずいぶんと楽しみ方は変わるでしょう。②ルートをチョイスすれば、あじさい園北口から下って見ることになります。③、④ルートだと当日の体調次第で、どちらからでもアプローチできますね。いずれにしても、見学には1時間程度必要となります。
ふぁんトント的オススメ・ルート
オススメはやはり大阪側からハイキングを兼ねたあじさい見学です。夏場に尾根道を歩く摂河泉コースよりも涼しい長尾の滝コースが個人的に気に入っています。辻子谷コースも悪くはないですが、舗装路や石畳が多くて困りモノ。
長尾の滝コースにも問題がないわけではありません。上記のマップでお分かりのように、長尾の滝上部のルートで大きく南側へ迂回させられます。しかも、この迂回路はジメジメしていて雨後しばらくはぬかるみが酷くて歩きにくい。季節的にぬかるみの山歩きを覚悟しておく必要があります。
大阪府みどり公社が提供する「あじさい園アクセス図」では、長尾の滝ルートは掲載されておらず、オオヤケ的にはオススメできないルートのようですね。
全くオススメできないオススメ・ルート
長尾の滝ルートの抱える問題点を一気に解決するチャレンジングなルートをご紹介しましょう。(※ご利用は自己責任、経験者向き)
入口はここです。元々、長尾の滝上部は鉄塔巡視路として利用されていますが、泉南東大阪線176号への巡視路ルートを利用します。(夏場はもっと茂っています)
途中、かなりの傾斜地をよじ登ります。プラ階段が設置されていますが、あまり役に立ちません。
ポイントはここですね。急斜面をトラバースして尾根道に合流します。斜面の根っこや草を掴んで、へつるように前進します。
尾根に上がってしまえば、テープや測量石標などを目印にテレビ大阪送信所の裏手にたどり着きます。昨年はこの尾根道でオオスズメバチと遭遇しました。巣は近くに無かったけど、かなりドキドキ、ガクガク、ブルブル。
最後はテレビ大阪送信所のフェンス沿いに斜面を下ると管理道に到着します。そこからぬかた園地の案内所(休憩所)は近い。
※道標等はありませんので、単独行動や現在位置を特定できない方は利用しないでください。
2015年版各見どころのご紹介
無事にあじさい園に到着できたなら、上からでも下からでもお好きな場所から見学なさってください。見頃の時期だとあじさいの多さと見物客の多さに圧倒されるでしょう。
2015.05.30の下見の様子と各みどころの現状をお伝えしましょう。見学当日の参考になれば幸いです。では、下から順番に。。。
ぬかた園地案内所付近
この付近に咲く予定のあじさいは、
ツルアジサイ
ガクアジサイ
ベニガクアジサイ
アジサイ
現状はどれもツボミでした。次は「どんぐり池」へ向かいます。できるだけショートカットは使わないほうが、足が疲れなくていいと思います。
どんぐり池周辺
ここでは、以下の珍しいあじさいが咲くようです。
ブルースカイ
ラ・マルネ
ウズアジサイ
ザ・クリスマ
センセーション
レグラ
イン・マクラタ
ミセス・クミコ
トーマスホッグ
この一角は案外狭い場所なので、見逃す方も多いようです。とくに珍しい品種は株数が少なく、花の大きさも控えめなので、見つけるのが大変です。
けやきの広場周辺
ここでは、和風な品種が栽培されています。
マイコ
クレナイヤマ
姫甘茶
ハマアジサイ
伊豆の華
白富士
紅冠雪
墨田の花火
現状は雑草だらけですが、祭りが近くなると整地されるはずです。「墨田の花火」は必見のあじさい。
トンネル広場周辺
トンネル広場ではトンネル真上の傾斜に洋風なアジサイが栽培されています。
ミセス・クミコ
マチルダ
アナベル
フェアーテレサ
センセーション
リベラバイス
広場と言っても狭い栽培地なので、見学や写真撮影には注意してください。天気次第で見晴らしも期待できます。
桐の広場周辺
あじさい園の最標高地点に位置する広場で、あじさい新道と直結しています。
黒姫
七段花
伊豆の華
ウズアジサイ
姫甘茶
城ヶ崎
ここでの必見は「七段花」です。シーボルトの「フローラ・ヤポニカ」に掲載されているという注釈がついています。
最標高地点とあって涼しくて虫も少なめ、ベンチもあるのでランチタイムにも適していますが、トレイルランの方たちが走り抜ける箇所でもあるので、注意してください。
開花情報にご注意を!
例年ですと6月最終の週末が見頃、あじさい祭りは6月27日(土)から7月12日(日)に開催されます。祭りの期間中「森のオープンカフェ」(6/27、6/28、7/5、7/11のみ)もオープンします。詳細をふぁんトントのGoogle+、Facebookでも告知しますのでよろしくお願いします。
動画ができました。参考にどうぞ。
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最後に、2013年に訪問した際に撮影した写真をGoogle Photos Albumにアップしています。画像をクリックするとアルバム内の画像をご覧いただけます。
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では、また。
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