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矢田寺(あじさい寺)・矢田道探訪

      2022/10/07

前回に引き続き「生駒の古道」(以下、本書と言う)の見てある記です。

今回の参考書は、

「生駒谷」(生駒市 石造文化財)昭和52年(1977)発行

上記を加えた2冊となります。

あじさい

矢田寺にて(2014.06.08)

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矢田道を歩く[2014.06.08]

歩いたルートはヤマレコにもアップしていて後半部分となります。

「生駒の古道」をお持ちの方は、136頁の「2 矢田道」を合わせてご覧いいただけると幸いです。「矢田道」は見開き5頁とコンパクトな記事なので、A4の用紙2枚にコピーして持参。千光寺で昼食休憩していると生駒民俗会の方が、「生駒の古道」をPR販売されていました。

生駒の古道

生駒の古道 -生駒市古道調査- 生駒民俗会

ご苦労さまです。「ここぞ」とばかりに矢継ぎ早の質問。失礼しました。でも、おかげでいろいろと参考になりました。庄兵衛道の石標の謎も解けましたし。ありがとうございました。┏○))ペコ

では、本題に突入。

乙田橋
01_乙田橋

乙田橋から
02_乙田橋2

橋を渡ると近鉄生駒線の踏切が見えました。

道標
03_道標

踏切を渡ると直ぐに道標がありました。早速、近くによって確認です。

正面
04_正面

「すぐ矢田山 宝山寺」

右面
05_右面

「右大阪。。。」 あと読めません。ここは本書を参考に。

左面
06_左面

「宿坊別當北僧坊」

背面
07_背面

「右信貴山五十丁 左矢田山廿七丁」

道標を左に進みます。本書では、次に石福寺が紹介されています。「生駒谷」では、泉光寺が紹介されており、本堂裏手に珍しい法華塔があるとのこと。石福寺の手前にあるようなので、立ち寄ることにしました。

泉光寺
08_泉光寺

残念ながら廃寺のようです。グーグルマップ等ではすでに表示されていません。本堂の裏手が小さな墓地となっている以外には、件の法華層塔は見当たりませんでした。

灯籠
09_灯籠

灯籠がが二基残存していましたが、こちらが明和燈籠でしょうか?紀年銘は読み取りできませんでした。

萩の台文化財保存館
10_保存館

内部の見学には事前の連絡が必要なようです。

石積みの壁
11_石福寺1

城郭のような立派な石積みです。ここは高台になっています。

石福寺
12_石福寺2

石造遺品がズラリとならべてあります。名号板碑が二基、十三仏板碑が三基。いずれも桃山時代の作だそうです。

金毘羅神社
13_金毘羅1

本書では紹介されていないのですが、キョウ山まで足を伸ばして金毘羅神社にお参りしました。周囲で一番高い丘の上に立つ神社です。パッと見では、神社に見えませんが、拝殿もあって、キチンと管理されています。

安政灯籠
14_金毘羅2

石段の上、左右に石灯籠が二基あります。銘は金毘羅大権現、安政二年となっています。

大峰登山記念碑
15_大峰登山

ルートに戻って自治会館前に来ました。

三差路
16_三差路

自治会館の前から、たぶんココと思う道を進みました。そして、三差路を右折しました。このあたりの道は比較的広くてGoogleストリート・ビューでも確認できます。

天照皇大神の小祠
17_小祠1

小祠を発見しました。「生駒谷」によると、陽石を祀ってあるとのこと。

石灯籠
18_石灯籠

大神宮の石灯籠です。小祠に伊勢講中と表記してあります。

小祠全景
19_小祠2

また、ここは「馬つなぎ」の場所であったとのこと。伊勢参りが盛んだった頃の名残ですね。

乙田川
20_乙田川

茂っていて川面が見えませんが、乙田川です。見晴らしの良い場所でした。

分岐
21_分岐

この付近が「サカムカエ」の場所でしょうか?ここで伊勢参りの旅人を出迎えたのですね。故郷の村が一望できるこの場所なら理解できます。ホッとしたことでしょう。

萩の台
22_荻の台

登りにかかると右手に萩の台の住宅地と遠くには生駒山が展望できます。

いよいよ山道にかかる

廿七丁石
23_27丁

半分埋まっています。

廿六丁石
24_26丁

倒れていますが、ハッキリ読めます。右手にはお地蔵さんが祀られています。

案内板
25_案内図

奈良県と環境省が作成した案内図です。本書によるとこの間の移動距離は、7分だったり6分だったりします。計測していませんでしたが、そんなものでしょう。ほとんど一本調子の登り道ですが、樹林帯で日陰なのが幸いしました。たいして疲れていません。

広場
26_広場

8分位かかって到着しました。お地蔵さんが祀られていて、ベンチもあります。シートでも広げて宴会のできるスペースですね。昔は展望が良かったとのこと。

三差路
27_三差路

左手の分岐は少しヤブっぽいですが、確認できました。矢田峠まで、あとすこしの場所です。

矢田峠 その1
28_矢田峠1

矢田峠に到着。お地蔵さんです。

矢田峠 その2
29_矢田峠2

そのすぐ横に八丁石です。

七丁石
30_7丁

背の高い丁石なんですね。

露ナシ池
31_露ナシ池

カエルの大きな鳴き声が聞こえてきました。

六丁石
32_6丁

「右大坂 左志き山」
丁石の横には道標ですね。仲良く倒れています。ここから、信貴山まで相当距離がありますよ。自分は瓢箪山(東大阪市)からてくてく歩いて来ましたけど。

弘法の水
33_弘法水

池が干上がらない限り、水は湧き続けるでしょう。まさに弘法さまのお知恵です。

五丁石
34_5丁

半分土に埋もれています。恐らく半分以上埋もれていると思います。

四丁石
35_4丁

この丁石は、右手の谷側に立っていました。見落とす可能性大です。

三丁石
36_3丁

苔むしてますね。そんでもって、もたれかかっています。

二丁石
37_2丁

立派に立っています。日当たりの良い場所なので、その分風化も激しいようです。三丁石とは好対照です。

朽ちた道標
38_丁池

分岐に立っていたと思われる道標です。恐らくこのあたりが一丁石の場所なのでは?距離的にも、分岐点なので、可能性大かと思います。いずれにしても本書の言う通り一丁石は見当たりません。

分岐
39_大石

右、墓地を抜けて矢田寺境内に出ます。左、大石を見て近畿歩道と合流します。7月上旬まで、矢田寺では拝観料が必要です。あじさいが見頃を迎えていました。


さて、本書を片手に2回歩きました。この2回は過去に歩いたルートを含んでいました。比較的スムーズに散策出来たと思います。次回からは、生駒市の北部へ行こうと思います。土地勘もないし、なにより地名が読めません。「出店」は「でみせ」でいいんでしょうか?それとも、「しゅってん」でしょうか?

一応、次回予定しているのは、上津鳥見路です。千光寺でお会いした民俗会の方によると、「かみつとりみじ」だそうです。こんな調子ですから、きっと、苦労すると思います。できるだけ、ストビューで予習して行こうと思います。

では、また。

 - 生駒の古道 , ,

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