庄兵ヱ道(庄兵衛道)-宝山寺と千光寺を結ぶ行者道(前編)
平成8年に刊行された「新ハイキング関西の山(廃刊)29号」に寄稿された「特選コースガイド・庄兵衛道(著者:柴田昭彦氏)」(以下、「本書」と言う)の記述によると、「庄兵衛道」とは以下のような様子だったと云います。
(前略)大正時代まで多くの参拝者が利用したが、交通機関の発達により衰退し、今日では忘れられつつある。
本書より引用
著者の柴田氏は平成7年に現地を2度訪れて調査を行い。当時、通行可能だった区間を克明に記録なさいました。同時に、文献に記された八本の道標を確認する過程で、十一本の存在(うち二本は亡失)が明らかになっています。
※Blog Archivesにはオリジナル・サイズの画像を収録しました。
スポンサーリンク
庄兵ヱ道 – 新たなる挑戦が始まった!
※マイマップを修正作業中です。興味のある方は、Googleアカウントにログインの上、星マークをクリックしてください。
古道の呼び名には議論の余地があると思いますが、混乱を避けるために今後は「庄兵ヱ道」と統一いたします。ふぁんトントのブログでは、これまでに道標を中心に追いかけてまいりました。柴田氏の調査からも年数が経ち、行方不明となっていた道標や、当時は未発見だった道標。それらを題材にしてまいりました。行方不明だった道標は、「生駒の古道 重箱の隅」を主宰なさるM氏のご尽力で再発見に至りました。
生駒の古道「庄兵ヱ道」-宝山寺から千光寺への古道 | ふぁんトントのブログ
link1
次の目標は「柴田氏迂回路」の修復
M氏のご努力は「道標の再発見」にとどまらず、庄兵ヱ道北側ルートの整備から神田川渡河ルートの修復に及んでいます。早晩、全ルート復活は間違いありません。
神田川渡河ルートについては、ふぁんトントも苦戦いたしました。かつて古道が通じていた箇所を産廃処理場が塞ぎ、神田川は川底をコンクリートで固めた用水路と化しています。さらに、大きな堰堤が建設されて迂回を余儀なくされました。
もう一つ迂回を困難なモノとしている原因として、かつての棚田が放棄されているという事実です。西畑町と言えば、棚田の風景が美しいことで有名です。しかし、それは暗峠に近い標高300m付近一帯のみで、里に近くてより至便なはずの神田川下流域では、ほとんどの田んぼが放棄されて竹藪と化しています。
柴田氏が利用された迂回路も例外なく、竹害により通行が著しく困難なものとなっています。竹藪以外にも、背より高く伸びた雑草や、衣服に付くと煩わしいヌスビトハギなど。夏場は人を寄せ付けません。よって、イノシシの楽園と化しているのです。
迂回路の考察
ふぁんトントがよく利用している迂回路は、堰堤上流部の棚田跡で浅瀬を渡るというものでした。この迂回路は、生駒民俗会の渡辺氏から教わったもので、途中、サクラの大木が倒れている地点を除いて問題なく通行可能です。今後、M氏の整備中ルートが開通した後は必要なくなるでしょう。そちらが、本来の「庄兵ヱ道」です。
一般的な迂回路(通行可能な)は東西から通じています。東のルートは棚田や水車、夏はウバユリの咲くエリア。畑へ出る直前のイノシシ除けゲート(3個所ある)に注意すれば、楽しいルートです。このルートも一部で崩落していましたが、M氏によりトラロープが設置されて難なく通行できます。
鳴川の棚田~庄兵ヱ道~西畑町・うめの里(水車) | 生駒山・神津嶽・大原山 |YAMAP 登山・アウトドアの新定番
link2
西のルートはやまびこホール先の民家で細道に入り、竹林の中で簡易舗装された畦道を神田川上流へと目指して歩きます。神田川に架かる最初の橋を渡れば、藤尾水源池を経て庄兵ヱ道へ合流可能。しかし、この迂回路は途中の道標を通過しないという問題がありました。柴田氏は最初の橋を渡らずに、左岸側の竹林を進んで「次の橋」を渡っておられます。
国道308号線
柴田氏の足跡を追って、「次の橋」を渡ってみたものの前述の竹藪に敗退しています。2014年4月のことでした。。。
※各ルートは冒頭に紹介したマイマップにてもご確認いただけます。
柴田氏迂回路を修復セヨ
次なる指令が発せられました。本来の「庄兵ヱ道復活」については、M氏に全面的にお任せをします。もちろん、できる限りのお手伝いをしますよ。(見に行く程度ですけどね。。。)
なぜ、「この迂回路を修復する必要があるのか」については、次回の後編にて書き記します。単に柴田氏へのリスペクトに留まりません。修復された古道を守るためにも必要なこと。そして、生駒山系ローカルガイドとしても取り組みたいと思っています。
その端緒として、グーグル・マップに「藤尾阿弥陀堂」のリスティングを登録しました。曲折していた国道308号が拡幅工事で付け替えられたために、お堂前のストリートビューは2009年で更新が止まっています。まずはこれを最新にいたしましょう。
単品で25,000円を下回る価格に!
RICOH デジタルカメラ RICOH THETA SC (ホワイト) + THETA用ソフトケース TS-1 ブラック
売り上げランキング: 307,800
amazon
リコー社の全天球カメラ”THETA SC”は、”Google Street View Workflow Ready“に認証されました。こうした作業に持って来いのデバイスです。暗峠を越えて「いざ参らん」
では、また。(大きく出たな)
ad
ad
関連記事
-
旅の思ひ出「薩摩富士・開聞岳(1999)編」
旅の思い出は「山歩き」で締めくくりましょう。父と一緒に最後に登った山、薩摩富士「 …
-
「銀峰(P396)はどこ?」全部入りの二上山にハマる
写真はトリミングしてます。 ちゃんと全身写ってますから。 オール・イン・ワン・パ …
-
ヤマレコの記録から「ツツジ咲く大和葛城山」
春から新緑にかけての楽しみは大和葛城山のカタクリとツツジ。今年はカタクリを見逃し …
-
ヤマケイ2015年4月号の膝痛特集を読んでマクダビッドのショートニーラップを買ってみた
山歩きの天敵は何と言っても膝痛です。特に歩き始めに膝がカクカクして力が入らずに困 …
-
ザ・メイキング「三つの船石探訪記」バーチャル・ツアー
※今回の記事ではストリートビュー画像を多数埋め込みしていますので、通信環境の良い …
-
古墳三題と送迎山城
大阪と奈良の府県境(正確には大阪府柏原市・奈良県香芝市~北葛城郡王寺町の境界線) …
-
「山と高原地図」で登山のプランを作成できる「ヤマプラ」を使って槇尾山に登ってきました。
山専用のコミュニティサイト「ヤマレコ」では、「山と高原地図」(出版元:昭文社)の …
-
磐船の滝調査報告「閉業は真っ赤なウソだった」の巻
グーグル・マップ(Google Maps)で言う「閉業」って何だ! Google …
-
生駒山上遊園地がリニューアルして営業再開!
冬季休業していた生駒山上遊園地がリニューアルして再開しました。新しく設置された「 …
-
生駒山系の巨石遺構PARTⅡ
マイマップで紹介する「生駒山系巨石遺構」の続編をお伝えします。当初は、「生駒山系 …