山の良書Ⅱ – 「関西の山・日帰り縦走」
「関西の山・日帰り縦走(著者:中庄谷直氏)」は、平成10年にナカニシヤ出版より刊行された山の良書です。本書には「岐阜、滋賀、三重、京都、奈良、大阪、和歌山、兵庫、鳥取」の各府県から選りすぐられた48の縦走コースが紹介されています。
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変化にとんだ山歩きは面白い
所蔵と言っても「関西の山 日帰り縦走(以下、本書と言う)」もまた、わたくしの亡父が生前に購入したものです。従って最近の本ではありません。刊行から15年が過ぎています。
amazon(2015.10.25現在品切れ中)
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本書はアマゾンで入手可能ですが、ナカニシヤ出版のサイトから注文することもできます。アマゾンの書評で☆2と評価されていますが、これは本書の正当な評価ではありません。本書に限らず書籍の内容というのは、手に取った瞬間から古くなっていきます。内容が現実と乖離するのはアタリマエ、逆に変化していないことを見つけるのが書籍との正しい付き合い方です。
プラスチック階段を下ると五四番鉄塔に着く(本書108pでは五五番となっている)

多奈川泉南線から泉南岬線に改称となって番線にも変更が生じた。
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さらに、この種の書籍に正確な地図情報を求めるのも間違いです。地図が欲しいなら「山と高原地図」などを買い求めるべきです。ページ数や文字数に限りがある書籍では、略図で十分です。書籍からは山歩きの情報ではなく、ヒントを得るようにしたいものです。
本書に示される簡易マップ

地図は生き物、常に最新版で持ち歩きたい。
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地図や写真は古くなっても、山の魅力は変わりません。本書で取り上げられる縦走コースの多くは良く知られたモノが多い、ヤマレコなどでも人気のコースであることが分かります。本書の魅力の一つは、ちょっとしたバリエーション・コースやちょっと高めの難易度にあります。
おのが実力を試す良い機会
高めの難易度と言っても、基本は日帰りを前提にした縦走コースの紹介なので、過度に身構える必要はありません。ちょっとしたアレンジやチャレンジングなルートに魅力を感じました。
その代表例の一つが「川上新道」(本書105p~)

和泉山脈西部の縦走ルート(葛畑-楠峠-四石山)
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2015.10.24に歩きました。
歩いてみてわかったことは、「おのが実力」よりも「山スマホの実用性」でした。複雑な地形に不明瞭な踏跡、いずれも現在地を特定できる地図アプリとGPSの独擅場でした。
マーキングを見失い何度か迷いそうになる。

その都度、山スマホに助けられました。
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ヤマレコの山行計画をフル活用する
ヤマプラの新機能を試しているうちに、山行計画をヤマレコで練るのが楽しくなってきました。基本は「山と高原地図」のエリアに限ってプランを作成していますが、それ以外の地域でも日程未定でコースを立案し、少しずつ情報を集めては書き加えています。
※消化したものは未定に再編集し、先頭に実施日を入れています。将来、再トライする時に役立つかもしれません。
耳我山系の縦走コースは本書では「高取山ー竜在峠ー多武峰」として取り上げられています。立案中の計画は、山の良書Ⅰで取り上げた「大和まほろばの旅」を元にしています。両書籍の共通点は竜在峠の場所、耳我峰の北方としている点ですね。かつてはこの一帯が竜在峠と呼ばれていたと考えるべきで、地形的な場所を特定をすることに意味はないのかもしれません。
大峠への林道が凍結する前に縦走ルートを歩きたいと考えていますが、最終的な予定ルートはまだ未定です。日没が早くなるので、下山ルートに工夫が必要なのです。
本書の中からすぐにでも企画したいルート2本
①虚空蔵山系(兵庫県)
虚空蔵山-496.1m峰-山上山
兵庫県の山は六甲山以外に知りません。おおさか東線と福知山線の連絡が良くなって、日帰りが十分可能なエリアになりました。
②額井火山群(奈良県)
戒場山-額井岳-香酔山-貝ヶ平山-鳥見山
川上新道と同様にアップダウンが厳しいようです。定番の額井岳と戒場山の二山巡りに加えて、トータル五山の縦走としたのが本書のミソ。榛原駅から最も遠い戒場山を起点にするのも特徴的です。夏場はムリなので、これからの季節で雪のない日を選びたいです。
秋が深まると生駒山系に戻ります
十一月の後半からは、いよいよ生駒山系へと活動のエリアを戻します。ヤマレコのウィジェット機能が提供されるようになったので、当ブログでもさっそく使ってみました。
ふぁんトントの生駒山系のリンクウィジェット
今年は山行記録が100回を越えて、生駒山系以外の記録も増えてきたので、便宜上「生駒山系 Ikoma Mountain Range」というグループを作成しました。Google+でのコミュニティをヤマレコ版にアレンジしたものです。
生駒山系の山行計画
人恋しくなってヤマレコで山仲間を集めようというワケではありません。あくまでも便宜上なのです。人の多い場所を歩くのは、先日の生駒チャレンジで凝りましたし、ふぁんトントのように気まぐれな山歩きに同行したい奇特な方はいらっしゃいませんので。。。
生駒チャレンジ登山大会2015

上級コースを約8時間で完歩
http://goo.gl/KAGHHk
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ブックレビューのつもりが、最後は自サイトの宣伝になってしまいました。これからは低山徘徊が面白くなる季節、できるだけ計画的に歩いて行きたいと思っています。
では、また。
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