北田原の名勝地「八丁岩(田原砦遺構)」を訪ねて
2015/06/18
大阪府交野市にあるゴルフ場「きさいちカントリークラブ」の南端は、奈良県生駒市北田原町との境界線(府県境)になっており、航空写真で見るとちと特異な様相を呈しています。
八丁岩付近
地理院地図で見るとそこには「ゴルフ場建設中」と記載されていますが、現地に行ってみると工事はとっくの昔に中断して放置されており、見るも無残な状況となっています。そんな所へわざわざ足を踏み入れる必要はないのですが、「八丁岩」の地名が好奇心を掻き立ててくれるのです。
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八丁岩を測量せよ
岩井谷池の北へ標高300mに満たないピークにその巨石「八丁岩」が鎮座しています。巨石は山頂部にあって、上部が平たくなっており自然が作った見晴台のようになっています。(地図の☆印の場所)
「八丁岩」の由来についてはよくわかりません。このエリアは何かと巨石にまつわる伝説や地名の多い所、「八丁三所」という降星伝説とも関連があるかもしれません。また、生駒市高山町の九頭神川流域には大八丁(おおばっちょう)という旧字名の地域があり、八丁岩からそう遠くないところに位置しています。
地名の由来もさることながら、実際の大きさも気になりますね。高さを測定するのは不可能ですが、横幅くらいならなんとかなりそうです。そこで、荷造紐に1m間隔で目印をつけたものを持参し、簡易測量を試みました。
予想以上に大きくて最長部の長さは15mを越えていました。これぐらい大きいと、かつては国道168号から見えていたという話に納得できます。八丁(=約900m)離れた場所からでも見える岩という意味でしょうか。
八丁岩へのルート
「八丁岩」は生駒山系における必見のおすすめスポットであることは間違いありません。しかし、ここへのルートが問題なのです。
周囲の状況から「八丁岩」が、無事に今日まで存在していることは奇跡に等しい。今昔マップで遡ると、開発工事が行われたのは今世紀に入ってからのようなので、それが幸いしたのでしょう。リーマン・ショックが「八丁岩」を救った?
磐船神社から岩井谷池に到着したら、池の土手に上がってください。土手の西端部に登り口があって、そこから意外と簡単に辿り着きます。草深いところもなく危険箇所もありません。(上記地図の黄色ルートを辿る)
天国と地獄が隣り合わせ?
美味しいものばかり食べていたら、やがて美味しいとは感じなくなる。美しいモノばかり見ていては、真に美しいものを見逃す。それを痛感させてくれる場所が、「八丁岩」の周辺です。
ちょっと冒険してみたい向きには、きさいちカントリークラブの東尾根から鉄塔巡視路を使って、八丁岩のあるピーク北側からのアプローチを紹介しましょう。
今昔マップを見ると岩井谷池の南から東西に伸びるルートは二重線で表記されています。このルートが旧道であることの証拠ですね。実際、磐船街道の羽衣橋から岩井谷池までは林道として整備されています。
池から西へは薄暗い林の中を薄い踏み跡をたどります。途中で舗装路がルートを分断し、この区間が廃道寸前になっているようです。分断されたルートをさらに西へ辿ると、両岸が深く堀り込まれた旧道の面影が残っており、そのまま進むと高山町ひかりが丘の住宅街に通じています。
さて、巡視路歩きに挑戦する方は、旧道を分断したガタガタでちょっと不気味な元舗装路を北上します。夏場はジャングル、冬場はヌスビトハギなどのひっつき虫に悩まされます。最近は外来種が多いのだとか。
季節に応じた対策を講じた上で、北側のアタックポイントを見つけてください。ここからしばらく急坂をジグザグに登れば、荒涼とした開発放棄地と対照的で、自然豊かな尾根道が目前に出現。ホッとさせられます。
尾根を辿って途中のピークを過ぎたところに「八丁岩」が鎮座しています。岩の上で大の字になるなり、お湯を沸かしてラーメンを食すなり、ご自由にどうぞ。
尚、鉄塔巡視路のご利用はくれぐれも計画的に、そして自己責任でお願いします。また、開発放棄地の舗装路モドキは気をつけてください。何が落ちてるか分かりません。
では、また。
追記)
ヌメヌメしたワカメのようなモノは何? ケモノの糞なのか? それとも、、、?ナゾです。分かる方、教えてください。m(__)m
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