ふぁんトントのブログ(保管庫)

*

正楽寺「石造線刻阿弥陀如来坐像」を見学してきました。

   

大和の石仏(創元社・清水俊明著)を片手に、平成五年度香芝市指定文化財となった正楽寺・石造線刻阿弥陀如来坐像(像高125.5cm/平安時代後期造立)を鑑賞して来ました。

DSCF1385

スポンサーリンク

大和の石仏(創元社・清水俊明著)

IMG_0398

大和の石仏(創元社・清水俊明著/以下、本書と言う)は、初版が昭和49年(1974)で手元にある本書は昭和63年発行の第5刷となっています。清水俊明氏の著作には「関西石仏めぐり」など石仏ファン必携の著書がたくさんありますが、ほとんど絶版か廃版になっており、アマゾンで検索しても古書しかヒットしません。

関西石仏めぐり―関西一円65コース
清水 俊明
創元社
売り上げランキング: 695,160

上記のリンクは古書です。購入者が☆1の低評価をつけていますが、これは、購入者の勘違いで多少の落丁や汚れなどで著作への正当な価値は下がりません。

山歩きに活用するなら「関西石仏めぐり」の方が適しているのかもしれません。機会があれば是非読んでみたいと思っています。一方、手元にある本書はあとがきにあるように、毎日新聞奈良誌版に週5回(昭和48年1月9日から同年3月17日まで)連載されたもので、石仏の解説が克明でわかりやすくコンパクトにまとめられています。

表紙

表紙

本書の表紙には石位寺の三尊石仏が採用されており、日本最古の三尊石仏らしいです。場所的に訪問可能な石仏なので、今年中にはお目にかかりたいと思っています。ちなみに裏表紙は天理市福住別所の「泥かけ地蔵」です。こちらは、昨年訪問しました。

泥かけ地蔵

泥かけ地蔵|2014.10.19訪問

正楽寺の石棺仏

DSCF1391

今回訪問した「正楽寺・石造線刻阿弥陀如来坐像」は本書の生駒・平群の項に「正楽寺の石棺仏」として紹介されています。

正楽寺

鉄骨コンクリート製の正楽寺

境内に入ってすぐの左手に香芝市教育委員会の説明板がありました。それによると石棺の部材を流用したものかどうかは確定した説ではないらしい。また、別の資料によると正楽寺で保存される以前は、橋板として利用されていたと言います。

全体像

全体像

本書によると

像高1.35m、蓮華座にすわって頭部がやや大きい。丸い顔に伏し目のやさしい藤原様式の表情。肩はなで肩、胸の開きが大きく古式。衣のひだの線は変化が少ないが優美な線。均衡のとれたプロポーションで、定朝様式とも言える姿である。

石造の魅力を伝える写真を撮影するのは難しいです。Facebookページに大きめサイズの写真をアップしました。

正楽寺・石造線刻阿弥陀如来坐像引用大和の石仏(創元社・清水俊明著)「像高1.35m、蓮華座にすわって頭部がやや大きい。丸い顔に伏し目のやさしい藤原様式の表情。肩はなで肩、胸の開きが大きく古式。衣のひだの線は変化が少ないが優美な線。均衡のとれたプロポーションで、定朝様式とも言える姿である」

Posted by ふぁんトント on 2015年6月8日

手元の本書には、第3刷で追加された補遺において、昭和52年当時に新発見された石仏が多数収録されています。今ではよく知られた石仏になっているのかもしれませんが、その後を追いかけて見るのも面白そうです。特に今回訪問した香芝市や王寺町周辺に存在するようです。最近ハマってる二上山エリアの山歩き等に活用できればと思っています。

では、また。

 - 山歩き , ,

ad

ad

  関連記事

島ヶ原駅
ローカル列車の旅「正林坊山登頂記」

航空灯台跡地探索の第三回として伊賀市長田にある正林坊山を登ってきました。最近はヤ …

クリップ
山スマホ;Rugged-Smartphone「KYOCERA TORQUE SKT01」をフィールド・テストしてみた

KYOCERA TORQUE SKT01(SIMロック・フリー)が安かったので購 …

blog title 20170324
生駒山上遊園地がリニューアルして営業再開!

冬季休業していた生駒山上遊園地がリニューアルして再開しました。新しく設置された「 …

河内越
河内越探訪その3

河内越の道は大和側の呼び名で、大阪側は檪原(いちはら)越と言うらしいです。 水呑 …

blog title 20170602
2017年の夏山対策(防虫、熱中症)

ここ数日、雷と風を伴うプチ豪雨が2回やってきました。梅雨入り宣言こそまだですが、 …

生駒チャレンジ登山大会2017
今年はどうする?「生駒チャレンジ登山大会2017」

第9回、第10回と二年連続で参加した「生駒チャレンジ登山大会」 春先に行われる「 …

ササユリ
初夏の生駒山系2016

初夏の生駒山系は風景や植物を観察するのが楽しみです。梅の伐採が決定した枚岡梅林の …

道標
ふぁんトントの特選コースガイド「瀧寺跡磨崖仏(奈良市大和田町)」

瀧寺跡磨崖仏は矢田丘陵中部の東斜面(奈良市と大和郡山市の境界付近)にあり、高さ3 …

清瀧山北尾根
「飯盛山」-北条古道に挑戦する機は熟した

江戸時代の儒学者「貝原益軒」が元禄二年に『山の形飯を盛りたるがごとし。』と表した …

Blog 20161028
「第3回へぐり歴史絵地図Deスタンプラリー」に行ってきた。

当ブログで紹介した「第3回へぐり歴史絵地図Deスタンプラリー」に参加してきました …