正楽寺「石造線刻阿弥陀如来坐像」を見学してきました。
大和の石仏(創元社・清水俊明著)を片手に、平成五年度香芝市指定文化財となった正楽寺・石造線刻阿弥陀如来坐像(像高125.5cm/平安時代後期造立)を鑑賞して来ました。
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大和の石仏(創元社・清水俊明著)
大和の石仏(創元社・清水俊明著/以下、本書と言う)は、初版が昭和49年(1974)で手元にある本書は昭和63年発行の第5刷となっています。清水俊明氏の著作には「関西石仏めぐり」など石仏ファン必携の著書がたくさんありますが、ほとんど絶版か廃版になっており、アマゾンで検索しても古書しかヒットしません。
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上記のリンクは古書です。購入者が☆1の低評価をつけていますが、これは、購入者の勘違いで多少の落丁や汚れなどで著作への正当な価値は下がりません。
山歩きに活用するなら「関西石仏めぐり」の方が適しているのかもしれません。機会があれば是非読んでみたいと思っています。一方、手元にある本書はあとがきにあるように、毎日新聞奈良誌版に週5回(昭和48年1月9日から同年3月17日まで)連載されたもので、石仏の解説が克明でわかりやすくコンパクトにまとめられています。
本書の表紙には石位寺の三尊石仏が採用されており、日本最古の三尊石仏らしいです。場所的に訪問可能な石仏なので、今年中にはお目にかかりたいと思っています。ちなみに裏表紙は天理市福住別所の「泥かけ地蔵」です。こちらは、昨年訪問しました。
正楽寺の石棺仏
今回訪問した「正楽寺・石造線刻阿弥陀如来坐像」は本書の生駒・平群の項に「正楽寺の石棺仏」として紹介されています。
境内に入ってすぐの左手に香芝市教育委員会の説明板がありました。それによると石棺の部材を流用したものかどうかは確定した説ではないらしい。また、別の資料によると正楽寺で保存される以前は、橋板として利用されていたと言います。
本書によると
像高1.35m、蓮華座にすわって頭部がやや大きい。丸い顔に伏し目のやさしい藤原様式の表情。肩はなで肩、胸の開きが大きく古式。衣のひだの線は変化が少ないが優美な線。均衡のとれたプロポーションで、定朝様式とも言える姿である。
石造の魅力を伝える写真を撮影するのは難しいです。Facebookページに大きめサイズの写真をアップしました。
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手元の本書には、第3刷で追加された補遺において、昭和52年当時に新発見された石仏が多数収録されています。今ではよく知られた石仏になっているのかもしれませんが、その後を追いかけて見るのも面白そうです。特に今回訪問した香芝市や王寺町周辺に存在するようです。最近ハマってる二上山エリアの山歩き等に活用できればと思っています。
では、また。
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