一脚を使った360°パノラマの撮影方法とGIMPを使った編集方法(前編)
2017/06/01
GoogleのStreetViewアプリが大幅にアップデートし、Android版ではKitKat以降の全端末で使用可能となりました。その後のアップデートによりAndroid版、iOS版ともに隣接した2枚以上のパノラマ画像を矢印で接続したり、プライバシー保護のため被写体に「ぼかし」を入れる機能も実装されています。
Googleマップの埋め込みオプションも復活した!(以下はGoogleマップからコードを取得しました)
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上の360°パノラマは生駒市北田原にある「八丁岩」、かつては八丁先(約900m)の麓からも見えたという巨大な一枚岩です。ここはどんなに広角なレンズを使用しても全体を捉えることは不可能です。360°パノラマでさえもムリなので、岩上の三個所で撮影していずれの画像からも相互に移動できるように接続しました。PCの方はマウスで、スマホの方は指先で写真を押さえながら前後・左右・上下に動かしてみてください。矢印をクリック(タップ)すると移動できます。
VRゴーグルを使えばもっと臨場感を味わえるはず
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試行錯誤して辿り着いた先は「一脚」だった
Xperia J1 Compactを使って360°パノラマを撮影する方法は、以前の記事で紹介した通りですが、一枚のパノラマ写真を撮影するためには、支点を中心に全周囲を32回に分けて撮影する必要があります。そうして撮影したコマ撮りの画像データをスマホのソフトウェアで合成してくれるワケですね。
合成することをスティッチ(=Stitch、縫い合わせる)と呼び、出来上がった2:1サイズのぐにゃぐにゃした画像をエクイレクタングラー(=Equirectangular、正距円筒図)と称しています。(上掲の写真、以下は360°パノラマとして再生させた画像)
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Equirectangular(正距円筒図)の状態ではただの変形写真なので、これにある種のメタデータを画像ファイルに埋め込むことによって、上のようなグリグリ回せることができる画像となります。
なぜ、一脚が必要なのか
歪みやズレのないスティッチを求めるならできるだけ「支点」から「視点」がズレないように回転しながら撮影する必要があるからです。この点、アプリが優秀で少々の視点ズレはうまくスティッチしてくれますが、あまりにズレが大きいと当然無理が生じて、ありえないような画像になってしまうこともありますね。
そこで、手持ち撮影から三脚や水準器を駆使してより正確な撮影を行うことを考えました。そうすれば、室内撮影などで被写体が近いところにある場合や、神社などの鳥居、石垣、石碑などちゃんと写ってほしい被写体が、スティッチした時にバラバラな画像になってしまうことを防げるのです。
6,000円で購入したパチモン三脚は使える一品
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アマゾンのレビューには「山歩きに持っていける」と書きましたが、「軽い」と言うのは比較しての話で、三脚を持ち歩くのは正直厄介です。しかも、天底(足元)の撮影時は三脚から取り外して撮影するか、三脚ごと傾けるかする必要があって、だんだんめんどくさくなってきました。さらに、暑くなってくると嵩張る荷物はかなり苦になってきます。
これは目から鱗!
360CitiesのJeffrey Martinさんの動画を見ていて「これだ!」と思いました。紐を使えば簡易的な水準器として使えるジャマイカ(=「ではないか」というネットスラング)
早速、段取しました。前出のパチモン三脚は取り外して一脚にも早変わりします。しかし、コレだけでは高さが足りないので、モノポッドを継ぎ足しています。ここに至る試行錯誤の連続ドラマがありますので、以下、どうぞ。(大げさすぎるやろ)
バスタブのチェーンとマジックテープ以外は、すべてアマゾンであつらえました。あっ、カラビナは机の上に転がっていたのを流用してますけどね。
自慢の工夫はマウント部分です。(ピンボケしとるやないか)
全てバラバラにアマゾンで注文しました。
左(¥206)
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中(¥178)
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右(¥755)
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右のL型三脚取付ホルダーは、決してパチモンなんかじゃなくて、しっかりした商品です。カッコで付した価格は購入時のものですが、アマゾン・マーケットプレイスで購入する場合は、時々変動もありますし、送料が商品代金よりも高いということは日常茶飯事。レジに入れて購入前に確認しましょう。もちろん、すべて送料無料でした。(当方はアマゾンプライム会員です)
モノポッドとリデューサーは背の高さと同等な一脚があれば必要ありません。取り外しのストレス軽減のため、シューベースを取り付けました。コレはすでに持っていたものを流用していますが、購入する場合は他のパーツと比べて割高になってしまいます。と、言っても千円以下ですが。。。
¥309(直近では¥209)
¥650(モノポッドと一脚を接続するのに使用)
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¥790(ちょっと割高)
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パチモンを買う時の注意点として、届くまで時間がかかるということがありますよ。最低でも二週間は見ておきましょう。場合によっては一ヶ月近くかかります。
撮影者:ふぁんトント(上記の一脚セットを使って撮影)
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撮影者:森藤成彦さん(恐らく手持ちで撮影されておられます)
disるのが目的でなく単純に手持ちと一脚撮影の違いをご理解いただくために、ほぼ同じ場所で撮影した二枚のパノラマを並べてみました。両者はともにGoogleマップに一般公開されています。
くろんど園地・浮見堂(一脚撮影)
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手すりや欄干などは、手持ちでの撮影だと必ずと言っていいほど大きなズレが生じていました。ズレが全く皆無とは言えませんが、なんとか鑑賞に耐える画質ではないでしょうか。もちろんプロのカメラマンが撮影した業務用の画像にはほど遠いですがね。浮見堂の360°パノラマも細かいところでズレや歪みは確認できます。これをどこまで許容できるかは個人差があると思います。
Jeffryさんは簡単そうに言うけれど。。。
プロは一眼レフに魚眼レンズを装着して撮影し、PTGuiという高価なソフトウェアでスティッチしています。一式揃えたら最低でも20マン円以上はかかるでしょう。それに引き換え、当方の一脚セットを全部買い集めてもイチマンエンにもなりませんよ。少々のズレやキズは見逃してくださいね。
とは、言うものの、天底に写り込んだ足先とか、口を開けたような欠損部は何とかしたいというワケで、後編はGIMPという画像編集の定番無料ソフトを使った修正方法について考察します。
GIMP – GNU Image Manipulation Program
では、また。
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