生駒の古道「高山・伊勢街道を歩く」後編(一休さんの通い路・清水道)
2016/05/27
昨年(2014.03)、生駒民俗会は生駒市内の古道や街道を紹介した「生駒の古道」(以下、本書という)を出版しました。古絵図や古文書、土地の古老の話などを基に現地調査を行ったもので、古道を通して生駒の歴史や文化を学ぶ一冊です。
前編に続いて生駒市北部の古道「清水道」をご紹介します。今回の行程には、「一休さんの通い路」という副題がついています。
高山町中村-鹿畑町・素盞嗚神社-仏坂
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一休宗純とはいかなる人物なのか
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「このはしわたるべからず」のトンチで有名な一休さん。アニメの世界ではなく実在の人物である一休宗純とは、いかなる人物なのかについて正確なことは知りませんでした。
本書のコラム欄(p90)に面白い逸話が載っているので、Wikipediaで調べてみてビックリ。紙本淡彩一休和尚像からは、数々の女犯伝説の主とは想像できません。「こんなおっさんが、なんでやねん」と心のつぶやきです。やっぱり、お金や名誉ですかね。
一休宗純は文明13年(1481)、酬恩庵おいてマラリアに罹って死去したとあります。死は人を選ばずに、平等に訪れます。最期は「死にとうない」と言ったとか。昨年、一休寺を訪問した際に、虎丘庵が特別公開されていました。虎丘庵では森侍者(盲目の側女)と住まいしていた場所です。初公開ということだったので見学してきました。
虎丘庵に掲げられた一休さんの手書きの額を見て一言。
「へたうま」かな。
大変失礼しました。妬みじゃありませんよ。
清水道は拡幅された舗装路
清水道は古道と言っても、生駒市道20号として整備された舗装路です。寄り道しながら昔日の面影を求めて探し周りました。
素盞嗚神社
素盞嗚神社と善修寺は枚数が多いので、Facebookの写真アルバムをどうぞ。ブログの埋め込みが表示されない方は、直接のリンクをクリックしてくださいね。
善修寺
清水道では意外に沢山の野仏に出逢うことができました。そこで、現在巷で話題沸騰中(?)の「野仏Classic」にまとめてみました。
Grieg / Morning Mood(Youtube Audio Library)
仏坂の地蔵はどこ?
最期のゴールは学研登美ヶ丘駅ではなく、仏坂地蔵尊と決めていました。本書では記述と写真があるものの、場所は明確ではありません。ヒントはひょうたん池(北西)です。
上の今昔マップを現在の地理院地図に当てはめてみると、ひょうたん池の場所が推測できます。
Googleマップ・ストリート・ビュー(2013年9月撮影のデータ)
正直、国道歩きでヘトヘトの状態。開発中の住宅街を見て脱力し、探し出す根気がなくなっていました。Googleマップで池のあった北西部を見ることができます。Google同様にあと数歩のところで、地蔵までは到達できませんでした。工事中に阻まれたGoogleが、早晩見られるようにしてくれるでしょう。
しかし、なぜ昔の旅人は、山田川に沿って東へ向かわずに、急な坂道を越えていたのでしょうか。やはり、柘榴の日出神社に参詣するのが目的だったのでしょうか。ナゾですね。今回の山歩きでは、色々とハプニングがありました。見逃した箇所が幾つかあるので、いずれ再チャレンジすることにいたしましょう。
では、また。
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