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高画質なストリートビューを撮りたくなるSONY VLOGCAM ZV-E10レビュー

投稿日:2022年1月18日 更新日:

SONY VLOGCAM ZV-E10で360°パノラマ写真を撮り始めて4ヶ月が経ちました。最初に撮影した場所は、IKOMA Nature Walkでお馴染み生駒駅北口ロータリーです。

  • カメラ:SONY VLOGCAM ZV-E10
  • 2021.10.08 ブラケット撮影(Ev +/-2.0)

    魚眼レンズは、前機種ILCE-5100で使っていた*1)Samyang f3.5 7.5mm(MFT)を使用。専用のパノラマ雲台を追加発注し、90°単位4方向をブラケット撮影しました。HDR合成時のゴーストは未処理、取り急ぎの公開だったのでお見逃しくだされ。

    たった1回のテスト撮影で、10月末(2021)から即、実戦投入!忙しくビジネス撮影を繰り返すうちに、操作性にも慣れてきました。思った通りZV-E10はコンパクトで使いやすいカメラです。バリアングル・モニターも気に入りました。当ブログでは、360°パノラマ写真の「撮影体験」を通じてカメラ・レビューします。

    ホントか?

     

    下に続く。。。

    Amazon Black FridayでTTArtisan f2.0 7.5mm Fisheye(APS-C用対角魚眼レンズ)をゲット!


    製品提供を受けた多くのユーチューバーさんがレビューをなさってますが、この魚眼レンズで360°写真を撮影してるユーザーは少ない。


    TTArtisan f2.0 7.5mm Fisheye

    Samyang 7.5mmに特段の不満はありません。「逆光耐性、レンズフレア、精細感」など、バツグンと言えないまでも、Googleストリートビュー向けに十分なクォリティを確保できています。今後もILCE-5100と組み合わせ、お手軽・最軽量な撮影機材として有効活用していきますよ。SIGMAの高級魚眼レンズと比較しちゃダメ。


    プロの必需品パーマセル・テープ

    今回購入したTTArtisan7.5mmの特徴は、その大きな前玉にあります。付属の前玉キャップは、フルサイズで円周魚眼となるアダプターを兼用。しかし、ユルユルで外れやすく困ります。パーマセル・テープをレンズ・フードの唇部分に貼りつけるとグッドなんです。
    ※ケチって100円ショップのマスキング・テープはダメですよ。写真のように持ち上がりません。キッパリ

    円周(circular)魚眼と対角(diagonal)魚眼の違い

    イメージサークルの比較

    一般的に魚眼レンズは、歪曲する周辺部で画質の低下を招きます。縦持ちで4方向撮影することで、画質の良い中心部を使って繋ぎ合わせるのが吉。小判型のイメージ・サークルは、円周魚眼よりも黒縁部分が少なく、センサーをより広く活用できるのです。このことは、最終結果の解像度にも大きく影響します。

    一方の対角魚眼は、超広角レンズの一種です。そのため、90°単位の4方向撮影では、画角が足りません。ショット数が増えますね。さぁ、どうする?めんどくさいぞ~。
    ※SONY アルファ(α)一桁機シリーズなど、フルフレーム・センサーでは、小判型になるようです。

    kuula Virtual Tour

    パーマセル・テープはスジットさんに教えて頂きました。

    撮影 Sujit/ Yokohama SONY ZV-E10 + TTArtisan7.5mm +Nishinosawa panohead

    レンズアダプター不要な「Eマウント」対応のTTArtisan7.5mm(APS-C用、対角魚眼)に興味を持ったころ、横浜在住の有名インスタグラマー・スジットさんから連絡を頂きました。内容はSONY ZV-E10を使った360°パノラマ撮影に関するご相談で、年末年始の北海道訪問と撮影計画をお伺いしました。筆者はSamyang7.5mmでの経験をお伝えし、たいへん興味を持っていただいたのですが、出発に間に合わせるため、Hugh Houさんの動画を参考にTTArtisan7.5mmを購入なさったのです。
    ※Pixcoのレンズアダプターは、中国発送のため入手に1ヶ月程度必要とします。

    SONY α5100(ILCE-5100)でテスト撮影開始!

    スジットさんの好結果を見て、ようやくレンズを装着して試すことに。引っ越しのゴタゴタで出遅れましたが、大変幸運に恵まれたと感謝しています。

    TTArtisan7.5mmで初の撮影結果(PTGui)

  • 360 view in kuula; https://kuula.co/post/NkH7P
  • 当時使用していたパノラマ雲台(Nishinosawa Panohead)は、Samyang7.5mmの焦点距離に合わせて設計されています。そのため正しい*2)N.P.P.(No Parallax Point)と約10mmの乖離がありました。画角の狭さと歩留まりを補うため、8方向(45°単位)+天頂撮影を行ったのです。優秀なソフトウェア(PTGui)に助けられたと言えるでしょう。

    天気の良い日に飯盛山へ再撮影に出かけました。

    撮影日:2021.12.14 水平8方向+天頂撮影

    果たして8方向撮影でN.P.P.のズレを克服できたでしょうか? 結果は悪くありません。しかし、ファイルサイズは無駄に大きくなるし、撮影の手間も増える。そこで、72°単位5方向撮影できるクリック・プレートを、無理を承知で西ノ沢工房さんにお願いし、ILCE-5100でのテスト撮影を継続しました。

    水平5方向+天頂+底面(真下)撮影(ILCE-5100)

    PTGui12.9 Panorama editor + Detail viewer

  • 360 view in kuula; https://kuula.co/post/NqX20
  • クリスマスを目前に届いた「クリック・プレート」に交換してテスト撮影。お馴染みの心合寺山古墳です。ため池の水は抜かれていて、逆さ桐の雄姿を写せなかったのは残念でした。

    引っ越しの片付けを済ませて年内最後の「撮影山行」を楽しむ

    ILCE-5100 TTArtisan7.5mm 水平5方向+天頂+底面(真下)撮影

    と言うワケで、年の瀬迫る2021.12.28にくろんど園地へ出かけました。京阪私市駅前で、一瞬の雲間を狙っての撮影。水平方向にワンショット増えるのは、ナントカなりそうだけど、天頂と底面の撮影に慣れが必要です。

    ZV-E10 + TTArtisan7.5mmをメイン機に格上げ

    Samyang7.5mm用パノラマ雲台、L型アームにギリギリ干渉せず。

    水平5方向+天頂+底面(真下)撮影をやってみると、これがなかなか面白い。ZV-E10のパノラマ雲台発注時に「標準ズームレンズSELP1650」用を追加注文していることを思い出しました。このセットには、36°(10面撮影用)のクリック・ストップを一つ飛ばしで72°5面撮影可能なクリック・プレートがついています。

    「サクッと交換して、TTArtisan7.5mmを乗っければいいジャマイカ」
    (言うはカンタンだけど、前玉がデカイんだよ!)

    初詣は往馬大社、初撮影は干支の寅

    撮影:ZV-E10 + TTArtisan7.5mm 解像度最大:15,360 x 7,680ピクセル

    この日の撮影で「ZV-E10 + TTArtisan7.5mm」を当面のメイン機材(商用)とし、「ILCE-5100 + Samyang7.5mm」をサブ機として、3軸パノラマ雲台の撮影手法をブラッシュアップすることに決定。軽量・コンパクトさが求められる山歩きでの撮影において、やや大きく・重くなる3軸への変更に躊躇いがありました。しかしながら、360°カメラで不可能な「三脚の写ってない360°写真」を、Photoshopの力を借りずに「PTGuiで完結」できます。新年に相応しく新しいことにチャレンジしたいと思います。

    2軸と3軸組み換え可能なパノラマ雲台

     

    ここまでの結果を熟慮し、Samyang7.5mm専用のパノラマ雲台を強引に流用せず、N.P.P.の測定結果に基づいたパノラマ雲台(ZV-E10用)の再製作を依頼しました。部品の転用により、いつでも再組立てできます。当面は2軸で運用し、サブ機で3軸(底面アダプター)の撮影を練習していきます。2軸←→3軸も自由自在。

    左:3軸 右:2軸 Nishinosawa Panohead

    結論;Conclusion

    画質(結果)、撮影の手間、コストの三面で満足しています。ZV-E10の再販売をお待ちください。

    PTGui12.9 Panorama editor + Detail viewer

    *3)RAW(.arw)フォーマット1枚撮り(新パノラマ雲台)

    ブラケット撮影は、屋内中心の商用撮影でマストなスキルの一つです。しかし、屋外では被写体ブレを防ぐのは難しく、逆に解像感の低下を招くこともあるでしょう。それでは、ZV-E10のポテンシャルを活かせません。撮影スキルの向上、設計精度の高いパノラマ雲台、ソフトウェア(PTGui)の使いこなし等々。これらが相まってこそ、高品位な360°写真をZV-E10から生み出せます。Googleストリートビューだけでなく、kuulaなどのバーチャルツアー・コンテンツでも、お楽しみください。



     

    では、また。

     


    注釈;Notes

    1. APS-Cより小さなセンサーサイズ、マイクロフォーサーズ(MFT)用の円周魚眼レンズ
    2. レンズ内で生じる視差のことをParallaxと言います。入射角により異なるため、完全にゼロとすることはできません。通常の許容誤差は1-2mmとされています。
    3. Adobe Camera RAW ver.14.0 LrC ver.11.0以降でサポート Link
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