令和三年九月の中頃、不安定な天気の間隙を縫って、大和公園(東大阪市中小阪)に残されている「ラジオ塔」を探訪しました。
目的地の公園は、近鉄大阪線と奈良線の間に挟まれた中間地点に位置しており、河内小阪・俊徳道・長瀬の各駅から、ほぼ等距離に位置しています。今回は仕事の都合により、JR俊徳道で降り立ち、真っすぐ生駒山系の見える方向を目指して歩くことになりました。
YouTubeチャンネル「Appleが大好きなんだよ」
一見して直線に見えるルートでも、曲がるべき辻を見逃すと遠回りになります。グーグル・マップのナビ機能を利用して、道迷いを防ぐ試みは大成功。Apple Watchとの連携により、スマホの画面を見つめる必要はなく、辻の手前約50mで「ぶるっ」と手首で振るえて教えてくれました。舗装路歩きは、怪我をした右足首に負担なので、スマートに到着できてマジ嬉しかったです。「Apple大好きなんだよ」さんに感謝。当方も大好きです。
下に続く。。。
昭和初期に設置された「ラヂオ塔」(ラジオ塔)に思いを馳せる
書籍「旗振り山と航空灯台」(著者:柴田昭彦 氏、ナカニシヤ出版)は、平成十八年に出版された「旗振り山」の続編で、新たに発見された約50ヶ所を紹介するとともに、航空灯台とラジオ塔についても詳しく解説されています。(以下、「本書」と言います)
※旧ブログ(Part.1)は引っ越し作業中のため、リンク切れの場合はご容赦ください。
街頭ラジオ or Public Listening?
本書によると、ラジオ塔なる建築物は、昭和5年から17年にかけて、全国460ヶ所に設置されたと云います。仮説スタジオから「*2)アー、アー、聞こえますか」の第一声を発信したのが、大正14年(1925)3月22日午前9時30分とのこと。受信機も今とは違って、相当高価だったに違いありません。1950年代の「*3)街頭テレビ」と同様、普及期に大きな役割を担っていたと推測。今風に言えば「パブリック・リスニング」かもしれませんね。
ラジオ体操の始まり?
「夏休み・眠たい・スタンプ」と言えば、誰しも思い出すのは「ラジオ体操」ですね。最近ではかつては盛んだった「こども会」もなくなり、早朝から「ラジオ体操」の掛け声を聞かなくなりました。右足首骨折のリハビリで通う「大阪府営久宝寺緑地」の健康広場では、毎夕4時頃から高齢者の方々が「ラジオ体操」で健康増進に励んでおられるようです。
撮影:SONY ILCE-5100 + Samyang 7.5mm Fisheyelens
ラジオ塔はポータブル・スピーカーにBluetooth接続したスマホに置き換わりました。しかし、健康広場では古めかしいカラオケ用カセットテープの品評会を楽しむことができます。ここでは、ラジカセはまだ健在なのです。これらも、やがては昭和の「歴史遺産」となるでしょう。なんでやねん!
近隣の公園で発見の可能性
再び本書によると、「ラジオ塔」は、令和二年までに45ヶ所(台湾の三ヵ所を含む)で発見されていると云います。もしかしたら、アナタの住む近くの公園で発見できるかもしれません。ラジオ塔遺構の探索は、今始まったばかりなのです。
ポイント
- 灯篭(石碑)のように見えて気がつきにくい?
- 国旗掲揚台とワンセットになっている?
NHK放送局のコールサイン(大阪の場合、JOBKなど)を併記しているかもしれません。ちなみに、NHK大阪局は、「馬場町角」にあることから、B(amba)K(ado)だそうですw
結論;Conclusion
撮影日: 2021年9月16日 Photographed by Toyo Fujita
三たび本書によると、大和公園のように説明版があるラジオ塔は珍しいとのこと。損傷激しく忘れられた存在であったり、あまつさえ公園のリニューアルで撤去されることも珍しくないとのこと。きっと後世に伝えねばなりませんね。
当ブログでは、これまで柴田氏の著作をトレースし、「旗振り山」と「航空灯台」の跡地を探訪してきました。そうした記録は、ヤマレコやYAMAPなどのウェブサイトで公開中です。本書をもう少し読み込んで、新しい発見をシェアしたいと願いつつ、皆さんからのタレコミ情報をお待ち申し上げ候。
では、また。
注釈;Notes
- 出典:メディアポ「ラジオの歴史」Link
- 山の良書シリーズ・アーカイブ
- 街頭テレビは、不特定多数の人が集まる場所に設置された無料で視聴できるテレビ受像機のこと。パブリック・ビューイングと似て非なるもの。
- 昭和16年から「ラジオ塔」の表記に統一された。
投稿日 Issue date; 2021.09.19