ストリートビュー・アプリの廃止により、360°写真内のExifへ記録した座標に紐づけて公開することができなくなりました。グーグルマップの「写真を追加」からの投稿だと、Exif情報を無視するばかりか、テキトーな場所に配置してしまう仕様なのです。
朗報です!
UL2GSV Suite の作者 Dean Zwikel 氏により、JPG2GSV という新しい公開ツールを開発中であることを知らされ、早速、ベータ版を送っていただきました。さらにbeta5 から、画像間を「結合」(Connection) する機能も追加されましたので、実際の手順を最新の高画質な作例(ドヤッ顔)とともに紹介いたします。
UL2GSV Suite はDonation Software です。機能のすべてを無料で体験できますが、継続使用する場合は、Dean 氏に寄付してください。筆者は昨年 “Occasional user” として寄付を済ませています。
下に続く。。。
Tested JPG2GSV beta version to instantly publish a single pano on Maps
kuula(クーラ、フィンランド語で「球(たま)」の意味)は、360°写真を無料でシェアできるウェブツールの一つです。バーチャル・ツアーのホスティングでも人気のあるサイト。画面左下(デスクトップ版)のピン・アイコンをクリックすると、地図上で撮影場所を確認できますよ。
いやいや、オレはグーグル・マップに貢献したいんだ。
そんな方向けに、グーグル・マップへ直接公開して、画像間の結合まで可能にする “JPG2GSV” を紹介しよう。
JPG2GSV の使い方(Windows)
使ってみたい方は、Dean Zwikel 氏に、Facebook Messenger で連絡を取るか、グループへの参加を申請して、ダウンロード・リンクを送ってもらいましょう。
https://groups.google.com/g/ul2gsv
JPG2GSV は、UL2GSV ver.17 Suite(一連のツール集)に含まれる予定で、現在はベータ版(beta5 / 2023.05.17)となっています。単独で使えませんので、ご注意ください。
デスクトップ・ショートカットの作成
“AJPG2GSV” と “JPG2GSV” を”UL2GSV”のフォルダへコピペし、両ファイルのショートカットをデスクトップへ作成します。右クリックの「送る」で「デスクトップ」を選択するのが吉。
公開するアカウントの決定
AJPG2GSV のショートカットをダブルクリックして、グーグルマップに公開するアカウントを決定します。Windowsの「警告」は無視。できない方は、ここで利用を諦めてください。
オプション設定
JPG2GSV のショートカット・プロパティを開いて、”-p” または “-m” のオプションを入力。Exif情報に位置情報を記録した360°写真を、デスクトップのショートカットへドロップします。複数枚の場合は、フォルダをドロップ。コマンド・プロンプトが開いて、POIを選択してアップロードを開始します。
Option
画像間の結合
複数枚の画像を一括公開する際に、”-c” オプションを追記しておくと、簡易的にシーケンシャル(ファイル名による並び順)な結合ができるようになりました。
JPG2GSV 公開事例(作例)
横浜、日本丸メモリアル公園にて撮影(カメラ:SONY ZV-E10 レンズ:TOKINA SZ 8mm f/2.8 MF FISH-EYE)
日本丸のマストに赤玉のレンズフレアがべったり付いてますね。kuula に修正版(PTGui pro 12.20)をアップしています。重箱の隅をツツキたい方は、どうぞ比較なさってください。(シータの呪いに違いないw)
グーグルマップ・アプリの上下「二画面表示」で、航空写真と比較しながらご確認ください。正確な座標と方位(Field of view)、そして、菱形の矢印(Chevron)をクリックすることで、もう一枚の画像へ移動できることを確認できます。(2023.5.20 座標位置に青点の表示を確認しました)
結論;Conclusion
堺市中区平井、海岸寺にて撮影(カメラ:SONY ZV-E10 レンズ:TOKINA SZ 8mm f/2.8 MF FISH-EYE)
「どこで」は重要なファクターだ!
撮影時の位置情報に基づいた写真のマッピングは楽しい。Panoramioの時代から続く普遍的な趣味の一つでしょう。筆者もそんな「地図厨」の一人です。それが高じて「ストリートビュー屋」になりました。
ストリートビュー・アプリの廃止以後、消失感を癒すツールへの渇望は高まるばかり。JPG2GSV は、そんなユーザーに後押しされて、今後も進化を続けていくでしょう。使ってみて気に入った方は、迷わずドネドネしましょ。50ドルくらい、ケチっちゃダメですよ。切手収集から牛乳瓶のフタ集めに至るまで、ロハでできる趣味なんてありまへん。
では、また。