2023年3月23日、以前より予告されていたストリートビュー・アプリのサポートが終了しました。アプリを起動した際のポップアップは、過去形での案内となり、起動後のプロフィール・タブは、空白表示となりました。(赤点をタップすると、公開画像を表示可能でした。2023.3.26現在)
ついに表示が変わって、完全終了しました。
Yay!#ストリートビュー・アプリ終了 pic.twitter.com/MSZMds15N8— love_ikoma_toyo (@juantonto) March 23, 2023
海外の友人からも、”I would like to say I am still able to shoot a 360 photos via the GSV app in my Android phone, and also can publish it to a location.” とメッセージを貰いましたが、その内、これも無駄な抵抗となるでしょう。サーバー側でシャットダウンされたら終わりです。
下に続く。。。
マップヘルプの記事を参考に「代替措置」をまとめてみた。
当ブログでは、すでに代替措置について解説しています。
「何を今さら?」という気もするけど、グーグル・マップのヘルプフォーラムを覗くと、定期的に「コマッタ」という相談が寄せられています。ストリートビュー・アプリの廃止は、2019年9月に開催されたストリートビュー・サミット(開催地:ロンドン)で決定し、翌年の2020年11月に主な機能を削除するなど、各段階を経て今日の「終了」に至りました。しかし、アプリを立ち上げて「びっくらこいた」というユーザーは少なくないようですね。
マップヘルプを参照する
筆者はマップヘルプのコミュニティでプロダクト・エキスパートとして活動してますが、「エキスパート」のイメージとは程遠い「ナンチャッテ回答」を主としています。規則やガイドラインでバチバチなため、踏み込んだ回答をできません。その点を踏まえて、以下、補足的にまとめてみました。
ストリートビュー アプリを使用しないで、公開済みの画像を管理するにはどうすればよいですか?
公開した360°写真を「削除・ダウンロード・アップデート」を行うために、サードパーティ・ツールは欠かせません。ここで言うサードパーティとは、グーグル社以外が開発したソフトウェアやアプリケーションのことを意味し、グーグル社はそれらを製作・開発するために必要な「SV Publish API」を提供しています。したがって、APIを理解し操作できる自信のある向きは、無料で各種の編集をできるかもでしょう。「かも」ですが。
metadataのアップデート
公開済み画像を管理する上で厄介なのは、マップから行方不明になった画像の救出でしょう。撮影画像によっては、二度と訪問できない場所など、撮影者を含む多くのユーザーにとって、貴重な資料として活用されているからです。元の地点(POI)の消滅など、様々な理由でPlaceIDを消失、或いは無効になっている場合があります。その場合は、metadataのアップデートが必要となり、アプリやストリートビュー・スタジオで対応できません。
PlaceIDを消失した画像の内、マップの「自分の投稿」に表示されない場合があります。
ストリートビュー アプリを使用しないで、引き続き画像を公開するにはどうすればよいですか?
撮影:Ricoh Theta Z1, 編集・公開:Pano2VR ver.6 Pro
特定の座標に「青点(blue dot)」として正確に画像を配置するためには、やはり、サードパーティ・ツールが必要となります。マップ・アプリの「最新の写真を追加」などから公開すると、画像に埋め込んだ位置情報やコンパスなどmetadataは無視されてしまうからですね。(iPhoneのカメラロールから公開して、フラット画像で公開されるケース続出)
航空写真モードと比較しながら配置
撮影画像を「ツアー・マップ」にドロップすることで正確な座標をインプット可能です。一眼ミラーレスと魚眼レンズで撮影するフォトグラファーにとって、マストな編集機能と言えるでしょう。
青線を描くならストリートビュー・スタジオ
点じゃなく線であれば、当ブログの過去記事をご覧ください。マップヘルプで紹介されている「互換性のあるカメラ」の内、Insta360 X3 と GoPro Max を所有し、それぞれでストリートビューを撮影・公開しています。(個人的に解像度の低いGoPro Maxの撮影結果を気に入ってます)
撮影:Insta360 X3, 8K Timelapse(2sec), JPG2VID(UL2GSV)
互換性カメラで最も手軽に撮影・公開できるのは、リストの最後に掲載されているRicoh Theta X(2022.5発売)でしょう。撮影から公開までの手順を RICOH360 Blogで詳しく紹介されています。当ブログでは、Ricoh Theta Z1で撮影した「静止画」を元に公開する方法を伝授しましたね。動画に比べて静止画の撮影はカンタンで、ファイルサイズも小さくて扱いやすい。廉価版の下位モデルだけでなく、ほとんどの360°カメラで応用できるんですよ。
撮影:Ricoh Theta Z1, Single DNG, Converted into .mp4 and .gpx JPG2VID(UL2GSV)
静止画を動画(.mov or .mp4)に変換して、静止画内に記録された座標を.gpxフォーマットに転写すればよい。高価なカメラは必要ありません。創意と工夫で公開可能です。
Photo Path は引き続き公開できますか?
「フォトパス」とは?
撮影:Google Pixel4a, Streetview App for Android
試験運用だったのですね。これについて「代替措置」はありませんが、Facebookが買収したマピラリ―(Mapillary)という別のサービスで実現可能です。当ブログでは、Theta Vを使った実践例を2019年に紹介していますけれど、あまりオススメじゃありませぬ。
結論;Conclusion
ストリートビュー・アプリの始まりは、2016年の「ストリートビュー認定プログラム改変」に伴うもので、Android版はマップ・アプリのプラグインから独立して、カメラ機能と編集・公開機能を統合。iOS版は、Photosphere Cameraに同機能を追加したものでした。
それにより、編集ツール(Pano-editor)をグーグル社からサードパーティへ移行し、今日に至っています。2017年当時、SV Publish APIの不具合に、発展段階にあったサードパーティ・ツールの不安定さが加わって、ストリービュー・アプリは「最後の切り札」的な存在だったこともありました。(Vysorをインストールしたパソコンで編集することや、iPad2とスタイラスを使うことが流行りました)
サードパーティ・ツールの充実した今日において、ストリートビュー・アプリの重要性は低下しています。無料でストリートビュー「遊び」をする時代じゃなくなったのです。しかし、ご安心ください。「遊び」はストリートビュー・スタジオという形で、引き続き提供されています。お気に召さない方は、有料ツールの導入を検討しましょう。
では、また。
注釈;Notes
ローカルガイド・コネクトで「Vysor」を検索すると、面白い記事がいっぱい出てくるよ。